誕生日、いつも通りの朝 普段通りの時間に目を覚ました。
ベッドから下り、カーテンを開く。日の出にはまだ早いらしく、部屋の明るさは大して変わらなかった。そのまま鍵に手をかけ、窓を開けて換気をする。外から侵入してきた冷たい風から逃れるように、窓から少しだけ離れた。ふと学習机の上に置かれたデジタル時計が目について、何とは無しに手に取って持ち上げる。非常にシンプルな造りをした四角いそれは、時刻は午前5時、日付は9月22日を表示していた。
(ああ、そういえば今日だったか)
いまいち覚醒し切れていない頭で、真田はぼんやりと自分の誕生日を認識した。子どもの頃は日がな一日そわそわと落ち着かない気持ちで過ごしていたものだが、16回目ともなれば特別感も薄れてくるらしい。
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