君と私。ノックをしても返事はなくて。
キィと軽い音を立ててcloseの看板がかかったビューティーハリーの扉を開く。
***
「ハリー?さあや?はなー?」
声を掛けても帰ってくることはなかった。
さあやとはなは先に着いてるはずなのに…。
不思議に思ったが、まぁ用事で出ているんだろう。
クライアス社がなくなった。
ルールーやハリーたちとの別れももう目の前。
トラウムが今製作している汽車型のタイムマシンが完成すれば、ハリーたちは未来へ帰る。
完成…しなければいいのに…。
ーーなんて。
考えてしまう私は、きっとプリキュア失格だ。
せめてみんなには、こんな暗い気持ちがバレないように、と。
努めて明るく振る舞う。
とんとんとんっと、階段を軽快に駆け下りてくる足音が聞こえた。
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