深愛 自身の船を潜水艇にしたのは正しかったと思う。
頻繁なメンテナンスやそれに掛かる費用を踏まえても、海上の照りつけに当てられ続けるような航海は御免だった。また海中の恐ろしさをはらんだ暗さと静けさ、規則正しい機械音の中では、多少、深く眠ることもできる。
あの騒々しさのかたまりのような男には似合わないのだろう。
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ある島で約400年に一度見られるという大流星群を見た。
ただの流星群では無く、本当にこの島に落ちてくるような距離で掠めていく星々は、もはや災害では無いかと思うほどで、住人や観光客、おれ達も含めて島の全員が、星が掠めそうな海岸の反対側に船を出し、その光景を眺めていた。
「うおーー!!!どうなってるんだ!?なんで島に当たらないんだ!!?」
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