キ夢「えっ、そ、それしか食べないのか」
「もうお腹いっぱいで」
全然減ってないじゃん、という言葉は飲み込む。彼女の皿に盛りつけられたクロワッサン、スクランブルエッグ、焼いたハムやソーセージ、サラダ諸々3分の1程度しか減っていない。「残った分は夜に食べるね」と言って皿にラップをしようとする彼女の手を慌てて止める。
「えーとその、もうちょっと食べない?」
「もうちょっと?」
「あッ…温かいやつ!卵とかソーセージとかそういうのは今食べた方が美味しいぜ!」
彼女はきょとんと目を丸くして、じゃあと言ってソーセージを口に運んだ。胃の小さい彼女の食事の量を無理強いするのはよくない、よくないけれど、彼女の皿に盛った食事はただでさえ少ない量だったのだ。色んな味を満遍なく食べれるようにと少しずつ盛り付けたが、オレが思う以上に彼女は小食だった。
2880