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    マシロルリ

    @alche1125

    主にWebオンリーの展示用。

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    マシロルリ

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    Birthday for 2nd Floor Surprise Autumnの展示作品です。
    ハウ主現パロ転生(記憶あり)のまったりとした話です。

    #aknkプラス
    aknkPlus
    #aknk夢
    #ハウ主

    帰り道 授業が終わり、放課後の時間へとなると教室の中が一気に騒がしくなった。
     部活へ行く者、アルバイトへ急ぐ者、友人達と喋り教室に残る者。
     いつもと変わらぬ平和を絵に描いたような風景。
     悪魔執事をやっていた俺が、今は平凡な高校生をやっていると言ったら、過去の自分はどう思うだろうか。
     そんな事をぼんやりと考えていると、クラスメートに不意に声を掛けられた。
    「ハウレス~。彼女さん、迎えに来てるよ」
    「彼女……あっ」
     ドアへと視線を向ければ。
     主様がひょっこりと、半分開いたドアから顔を覗かせていた。
     小動物を思わせる仕草に思わず微笑ましくなる。
     クラスメートに礼を言い、彼女の元へと向かった。
    「あるじさ、」
    「わー!わー! ここ(学校)では、それ禁止だってば!」
     慌てふためく主様を見て、口を押さえる。
     以前の記憶の癖で、ついそう呼んでしまった。
     名前は教えて貰ったが、どうもこちらの呼び方の方がしっくりきてしまう。自分はもう執事ではないというのに。
    「すみません」と謝ると、「しょうがないなぁ」と笑って許してくれた。

     学校を出て、二人で歩きながら帰路を目指す。
     夏が過ぎ、秋も終わりを迎えようとしていた。
     ピンクと白のチェック柄のマフラーを巻いた主様は、寒いのか「はぁ」と息を吐いて手を温めていた。
     途端、狙ったかのように冷たい風が吹く。
    「ひっ! う~、寒い寒いっ」
    「主様……こうすれば少し温まりますか?」
     ぶるぶると震える主様を見かねて、彼女の小さな手を取る。
     主様の手はひんやりと冷たくなってしまっていて、少しでも温まればと両手で包み込んだ。
    「ふふっ、ハウレスの手、あったか~い」
     するり。主様が暖を取るように、俺の手に頬を寄せた。
     滑らかな彼女の肌が、彼女の甘い香りが、ふわりと包み込み不覚にも顔が赤くなる。
     恋人として付き合ってからもう長いのに、未だ体の方は慣れてくれないらしい。
    「主様。何か暖かい飲み物でも飲みましょうか」
     丁度近くにあった自動販売機で彼女の好きなココアを買えば、当たりが出たのかもう一本買える事になった。何にしようか悩んでいると、主様がすかさずボタンを押した。
    「ハウレスはこれが好きだよね?」
     がこんと出てきた缶コーヒーを取り出し、はい、と笑顔で手渡される。
     その姿が愛らしく、思わず彼女を抱きしめてしまった。
    「わわっ、どうしたのハウレス?」
    「何故でしょう、主様を抱きしめたくなりました」
    「ふふっ、そっか。寒いから今日はくっつきながら帰ろ」
     腕の中で笑う彼女に、俺はまた愛しさが増していったのだった。
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    DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしています。
    「おかえり」ユーハン夢。
    予定の時間を過ぎても帰ってこない主様を待ち続けるユーハンの話。

    翌朝、ほかの執事からもユーハンがずっと待ってたと話を聞いて、主様は某ワンちゃんを思い浮かべたとかいないとか。
    待てと言うならいつまでも 主人の帰宅時刻五分前になったのを確認し、ユーハンは出迎えのため本邸の玄関へ向かった。
     今朝、主人は「帰宅はいつもどおりだと思う」と告げ出掛けていった。彼女が「いつもどおり」というときは、十分から二十分くらいの誤差はあるものの、だいたいこのくらいの時間に帰ってくる。
     ユーハンは姿勢よく立ったまま、主人の帰宅を待った。だが、十分経っても、二十分経っても、彼女が戻ってくる気配はない。尤も、不思議な指環の力で二つの世界を行き来する彼女の帰還は、予兆も気配もなく、突然であるのが常なのだけれど。
     そのうち帰ってくるだろうと思っていたユーハンだったが、予定の時間から一時間が経って、さすがに不安を感じた。
     事件や事故に巻き込まれたのではないか。突然の病気や怪我で、身動きが取れなくなっているのかもしれない。彼女を狙う不届きな輩に襲われて、恐ろしい目に遭っていたとしたら。
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    DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました
    「逃げてもいいんだよ」バスティン夢
    ※秋のホーム会話のネタバレを一部含みます
    向こうでいろいろあった主様が、バスティンと馬に乗っているうちに元気を取り戻す話

    主様といるときか、動物を相手しているときだけ、柔らかい空気を纏うバスティンに夢を見ています。彼は穏やかな表情の奥に激重感情を隠してるのがずるいですよね……
    安息の地を探して 天高く、馬肥ゆる秋。
     近頃の馬たちは元気いっぱいで、よく食べ、よく走り、よく眠る。前後の話の流れは忘れたが、先日バスティンは主人にそんな話をした。
     彼女がいたく興味を引かれた様子だったので、ならばとバスティンは提案したのだ。次の休日に、馬たちの様子を見に来るか、と。
     それを聞いて、元より動物好きの主人は目を輝かせた。馬たちのストレスにならないのなら、触ったり乗ったりしてみたい。そう話す彼女はすでに楽しそうで、無表情が常のバスティンまで、つられて笑みを浮かべてしまうくらいだった。
     だというのに――これは一体、どうしたことだろう。
    「……主様」
    「あ……うん。ごめん、ちょっとボーっとしてた。せっかく時間を取ってくれてるのに、ごめんね。今度はちゃんと聞いてるから、もう一回説明してもらえる?」
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    住めば都

    DONEあくねこ、ハウレス夢
    本編2章の直後くらいに、セラフィムの騙った主様の処刑を夢に見るハウレスの話。

    始めたばっかりですが、生きてるだけで褒めてくれるあくねこくんにズブズブです。
    本編は3章1部まで、イベストは全て読了、未所持カードばっかりだし執事たちのレベルもまだまだなので解釈が甘いところも多いかと思いますが、薄目でご覧いただければと思います( ˇωˇ )
    悪夢のしりぞけ方 ハウレスはエスポワールの街中に佇んで、呆然と雑踏を眺めていた。
     多くの商店が軒を列ねる大通りは、日頃から多くの人で賑わっている。幅広の通りはいつものように人でごった返していたが、いつもと違い、皆が同じほうを目指して歩いているのが奇妙だった。
     なにかあるのだろうか。興味を引かれたハウレスは、足を踏み出して雑踏の中へ入った。途端に、周囲の興奮したような囁き声に取り囲まれる。
    「火あぶりだってさ」
    「当然の方法だよ。なにしろ奴は人類の敵なんだから」
    「天使と通じてたなんて、とんでもない悪女だな」
    「許せないよ。死んで当然だ」
     虫の羽音のような、不快なさざめきが寄せては返す。悪意と恐怖、それから独善的な正義。それらを煮つめて凝らせたような感情が、人々の声や表情に塗りたくられていた。
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