見えないひと『オネエチャンイッショにアソボ』
『アソボアソボ』
立香の周りにまとわりついている小さな子どもが二人。普通の子どもなら可愛いなと思うのだが、半透明で二人の周りに黒い靄がまとわりついていなければ平和だったのに。
(返事しては駄目。返事はしちゃ駄目……)
立香は子どもと反応しないように、目を合わせないようにしながら歩くスピードは少しずつ速くしていく。子ども達は悪霊の部類だろう。ふふふっと笑いながら立香の歩きのスピードから離れることはない。
『ネェドウシテオヘンジシテクレナイノ?』
『ハヤクワタシタチノナカマニナッテヨ』
立香が反応してくれないのにしびれを切らしたようで、子どもの一人が立香に手を伸ばす。
「いやっ」
流石に無反応ではいられなかった。声を上げて小さな手を避ける。立ち止まって子どもたちと向かい合う形になる。立香がようやく反応してくれたのが嬉しかったのかキャッキャと笑い声を上げる。
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