甘い残り香(塩味)アダムはとっくに起きていたがベッドから起き上がれずにいた。
体が痛いからとかそういう問題ではない。
ルシファーとやってしまった精神的なダメージで自己嫌悪に陥って動くことができない。
しかも思い返せば、酒の勢いにまかせてかなり自分からグイグイ行った。
「うぐ、ゔうううう……!!!!」
意味もないのに唸ってしまう。
当然の如くルシファーはいないし、いたはずのところはひんやりと冷たい。
ああせめて、せめて朝までいろ!
一夜を共にした最低限のマナーじゃないか!?
あまりしっかり覚えていないが致したはずだ、胸元に絶対にルシファーのものであろう歯形がくっきりついている。
***
「イッ、」
それは体を起こせば明白で、アダムは怠そうな声を出しつつ床に散らばった服を拾い上げた。
7529