「…俺が組織の情報を話すと思っているのか?」
「この拘束が解けたら…同時に貴様の命も潰えるだろう」
射抜くような鋭く美しい切長の眼差しは、今までに向けられた事の無い憎悪に満ちている。
真っ直ぐにこちらを見詰める瞳に迷いは見当たらない。
「だからお前は、エリオス社って言う組織の、ブラッド・ビームスで…」
「俺はエリオスなど知らない、それに組織に拾われた時からラストネームは無い」
見知った顔で、声で、はっきりと拒絶を言ってのける。
そして、そんな同じ押し問答をオレ達はもう何度も繰り返していた。
※
遡る事、二日前…
「協力してくれてありがとう、ブラッドくん」
「構わない、俺も洗脳の訓練には興味があった」
「でもまだ開発途中だからね…何か問題が発生したらすぐに教えてね」
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