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    モブおじさん

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    今は完全に修弓の倉庫 ほぼ🔞のため18歳以上かつ高校卒業済み以外の方は閲覧禁止

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    モブおじさん

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    檜佐木と猫みたいな綾瀬川のはなし 
    新年からこんな甘くて良いのかよ

    「お前って猫みたいだよな」
    唐突に、目の前に横たわる男が向かい合った僕の頬を親指でそっとなぞりながら呟いた。その言葉は僕自身に向けられたというより独りごちたようなものであったが、真意を疑問に思い微かに眉を顰めながら「どういう意味」とぶっきらぼうに問うた。
    目の前の男は何故か楽しそうに「そういうとこも」と答えた。


    頬を撫ぜていた親指が目尻に移り、睫毛にさわさわと触れて遊ぶ。本能的に触れられている方の目を閉じつつ、もう片方の目をきゅっと鋭くしてみせた。威嚇まがいの視線にも男は怯まない。
    「ちょっと、やめてよ」
    男の手から逃れようにも布団の中で2対の脚は絡まりあっていて、おまけにがっしりと腰を掴まれているので不可能だった。
    せめてもの抵抗で男の胸板を手で押し付けつつ身を捩る。しかしその体格差ゆえか男の体はびくともしない。却って「逃げんなって」と楽しそうに鼻を鳴らしながらより深く抱き込まれてしまう。あろうことか、男は毎日丹念に手入れをしている僕の自慢の髪に鼻を埋めてきた。眉間の皺が深くなる。


    「だって、そうだろ。無駄にプライド高いし、高慢ちきでいつも澄ました顔してやがるし。基本的に人のこと舐めくさってるところとか。そのくせ自分より上だって認めてるやつらには従順だし」
    「……馬鹿にしてるよね。離してよ、帰る」
    「まあまあ、良いからまだ居ろよ」
    先程布団の端に追いやってしまった寝巻きを手繰ろうと何とか伸ばした手を絡め取られてしまう。
    人をコケにしておいてなにがまあまあ、だ。楽しそうな声色が憎たらしい。思いきり引っ掻いてやろうか。
    男はお構いなしに続けた。
    「綺麗好きでいつも身綺麗にしてるところとか、やけに細い手脚とか、曲線を描いた身体つきとかもな。猫みてえだ。
    不思議なもんだよな、同じ死神で同じ男なのに、俺や他の奴とは明らかに違っててよ。」
    するする、と僕の腰の辺りを撫でてぎゅっと抱いてくる。手つきが甘ったるい。
    擽ったいようなぞくぞくとしたものが身体を這った。


    「甘えたい時は自分から乗っかって擦り寄って来るくせに、俺から触りに行くと睨まれるか手をはたき落とされる、理不尽なやつ。」
    くつくつ、と至極楽しそうに答える男の声。さらりと髪を撫でられ、そのうちのひと束に口付けられた。余裕ぶった行動が気に食わない。




    「…………修兵」
    思いつきで、普段は呼ばない彼の名を口に出す。男は「え」だか「お」だか、兎に角驚いた声を上げて僕を見やった。夜の闇の中でもわかるほど顔が赤く染まっている。さっきまでの余裕を崩すことができてニヤリと口角が上がってしまいそうになるのを隠しつつ、何か言いたげに口を鯉のようにぱくぱくさせている男の唇をぺろりと舌で舐め上げた。


    「……猫は、嫌い?」
    じっと目を見ながら甘えを含んだ声で囁いてやると僕のことをぎゅうっと抱きしめてくれた。素肌が隙間のないくらい密着して、あたたかい。
    そうして僕の耳にだけ届くようにやさしく、聞き分けのない猫を宥めるように甘く答える。
    僕はそれを聞くと、満足した仔猫のようににゃあんとひとつ鳴いて男の背中に腕を回し、そのままぎゅっと爪を立ててしがみついた。

    痛いと喚いても、絶対に離してなんてやらない。
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