必要とされたいミオリネさんはこっちを向いてくれない、目も合わせてくれない。私が投げかけた言葉も、ミオリネさんの背中に当たってそのまま床に落ちてしまったようだった。
「わたし、いなくても良いってことですか...」
「...そうね」
そうね…
そうね…
そうね…
そうか、ミオリネさん、私のことはいなくてもいいって思ってたんだ……。
『アンタしかいない』って温室のトマトやお花のお世話を任せてくれたけれど、本当はお願いするの、業者の人でも、誰でも良かったんだ……。
ぐすっぐすっと鼻を啜る音がお風呂場に響く。シャワーを出しっぱなしにしたままスレッタは泣いていた。ミオリネと会えず、16日間募らせた思いが涙になって排水口に流れていく。
……私、本当は怖かったのに。エランさんにデートに誘われた時…いつもと違って顔が近かったりしたから。私にはミオリネさんがいるって思ったから頑張ってデートも断ったのに。
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