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    ksmt2480

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    ksmt2480

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    今流行りのえふごパロですわ〜今日も空は青く、風は穏やかで、仙舟羅浮は平和である。
    ただ一つ、天高く登る月が無い事を除いて。

    現代羅浮にレイシフトしたカルデア一行、そこは豊穣の忌み物も居らず平和な世界だった。辺りを散策するカルデア一行はそこで列車メンバーと星核ハンターの刃に出会う。
    「俺たち、宇宙ステーションで拾った奇物に触ったらここに居たんだ。ここは俺たちの知ってる羅浮じゃないみたい」
    「歴史の改変……、聖杯の影響でしょうか?」
    「何か知ってるなら協力するよ。俺たちも仲間が行方不明不明なんだ」
    こうして列車組+刃ちゃん共にと行方不明の丹恒と聖杯を探すことになる。

    「困ったこと? ある訳ないよ、ここは仙舟羅浮だよ?」
    「豊穣の忌み物? 一体いつの話をしているの、それならとっくに封印したじゃない」
    「何があっても心配ないよ、なんてったってここには『雲上の四騎士』がいるんだから!」

    「俺たちの世界では雲上の騎士は既に過去の人だった」
    「取り敢えず、その四騎士とやらに会いに行こう」
    こうして列車の一行と共に雲上の騎士達に逢いに行く
    メンバーは羅浮の将軍景元、剣首鏡流、星槎殺しの白珠、そして持明の龍尊、丹楓。
    「聖杯を持っているのは丹楓だと思う。彼にはそれをするだけの理由と力がある」
    こうして丹楓を調べる一行
    その後星核ハンターの銀狼、カフカが呼ばれたりなんやかんやあって結局丹楓が聖杯を持っている事を知った一行は丹楓と対峙することになる。
    「何故だ丹楓、一体何故こんな悪行を?」
    その問いに丹楓はキッパリと答える。
    「全ては余のマスターの願い。この聖杯を使い、新たなる泰平の世を作るのだ」
    ここで戦闘、ゲージが無限回復する負けイベント。
    戦闘終了した瞬間に突如刃が丹楓の心臓ごと聖杯を奪い取る。
    「頼むぞ、マスター。次こそは……」
    「承知した。貴様はまた一つ対価を支払った。だが、まだ足りない。より高く、より多くの骸を積み上げろ。それこそが貴様への罰なのだ」
    刃の言葉と同時に建木の封印が解けて忌み物で溢れる地上、あわや全滅かと思われたが白珠の宝具(ステラ)で一行は難を逃れる。

    気が付くと最初に列車組と出会った地点へと戻っていたカルデア一行。訳が分からない状況に首を捻っている所に現れたのは百冶応星であった。
    「あの俺そっくりの模造品は何度も時間を巻き戻してる。少なくとも、丹楓が死んだのは百を超えているはずだ」
    「一体何故そんな事を」
    「ここには月がないから。照らす月がなければ、影もまた消えるしかない。だから奴は必死に、馬鹿の一つ覚えみたいに繰り返しているのさ」
    応星は凪いだ瞳で呟いた。
    本来ならば七人のマスターと七騎のサーヴァントでやるべき聖杯戦争。それを一人のマスターが、たった一騎のサーヴァントを繰り返し殺す事で必要な魔力を補って居たのだ。そんな無茶を可能にしているのは、間違いなく聖杯の仕業である。
    龍の遺骸で出来た器は今回で満ちることになるだろうと応星は言う。
    こうして二度目の仙舟羅浮を調査する一行、途中で白露を召喚したりしていろいろありながら
    再び丹楓と対峙することになる。
    「何故だ、何故邪魔をする。余はただ、誰も傷つかぬ世を築きたいだけだと言うのに!」
    「それでお前は世界中の人の代わりに死に続けるのか。阿呆らしい」
    「黙れ、黙れ黙れ黙れ! 此度も選択の余地はない。これこそが私の贖罪なのだ。白珠にも、お前にも、……あの子にも!」
    「巫山戯るな! 勝手に一人で抱え込んで、我儘も大概にしろ!! どうしても重くて動けないってんなら、俺に半分寄越せ。それは最初から、二人で背負うべきものだっただろう」
    「龍でも耐えられぬ罪を人の身で背負うというか、傲慢な奴め」
    「違うな。お前が「私一人じゃ無理です助けて〜!」ってお願いするんだよ」
    「そんなこと、言えない」
    「無理にでも捻り出せ! ……ちゃんと受け止めてやるから。俺のとこまで堕ちて来い、丹楓」
    こうして丹楓を止めた一行は遂に刃と対決する

    初めからこの世界には丹恒も刃も存在しない。正確に言えば、丹恒になるはずだった者が既に死に、刃になるはずだった者はその存在を証明出来なかった。
    求めるべき対価を求めて行き着いた幽囚獄の最下層で、代償を払わせるべき龍は既に虫の息だった。
    飲月の乱を起こし十の悪逆を犯した飲月・丹楓の転生体はありとあらゆる拷問を受け、実験と称し体を切り刻まれた。
    回復も追いつかぬほど傷付いた龍に、目を向ける者など誰一人居なかった。
    舌の抜かれた口で、龍は小さく呟く。
    「しっているか。そらには『つき』というものがあって、どんなくらやみもてらしてくれるらしい。こんなくらいばしょにも、とどくのだろうか」
    くり抜かれた目は光を映さない。千切られた耳は音を拾わない。指のない手ではもう何も掴めない。
    「うまれかわったら、つきになりたい。どんなにくらくてこわくても、けっしてまよわないような。……だれかをてらすつきに、なり、たかっ、た」
    さようなら、みしらぬもの。そう言って龍は息絶える。残されたのは名もない月影だけ
    認めない。然るべき対価が支払われぬなど。
    認めない。この身に価値がないなど。
    認めない。追い求めたあの月に、永遠に手が届かぬなど。
    崩れ落ちた龍の遺骸から現れた願望機に影は願う。
    「もう一度、あの月を俺の手に」

    丹楓を殺し龍の屍体を積み重ねて出来た空想樹が世界を再構築しようとする。聖杯から得た魔力で無双する刃を食い止めるため、穹は自らの星核を触媒にクリフォトを召喚してこの場を防ぐ。
    「ごめんマスター。ここでお別れだ。でも、大丈夫! 俺が倒れたら絶対あいつが来てくれる」
    「あいつって……?」
    「ここにあいつが存在しないなんて、そんなルールは破る為にある! 九回裏ツーストライク満塁の正念場、俺の親友が最強で最高だってとこ見せてやれ!」
    そして穹が退場して、代わりに現れたのは丹恒・飲月だった。
    「随分と世話をかけたようで済まない。後は俺に任せて貰おう」
    刃の猛攻を掻い潜り、丹恒は撃雲をその心臓に突き立てる。
    「いん、げつ……」
    「俺の名は丹恒だ。いい加減覚えろ。……いや、違うな。お前にはこれが初めてか」
    消えかける刃の手を握りながら丹恒は言う。
    「安心しろ。俺こそがお前の存在証明。お前が手を伸ばすというのなら、最後まで付き合おう」
    お前の名前は​───────。
    月光のようにやわく輝く瞳を見て、影だった者はようやく、生まれて初めて心から笑ったのだった。



    ここは偽りの理想郷、ただ一人の為の地獄。失われた月を求めて、月影は宙に手を伸ばす。
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