包まれる「僕さぁ、もしかして寝相悪い……?」
いちご大福の包みを剥きながら隣に座る次兄に問い掛ける。どうやら多くのひとたちは寝ている間に毛布を蹴飛ばしさないらしい、と気付いたのは艦で生活をするようになってからだ。
問われた次兄は一緒に過ごした数ヶ月を思いめぐらせるように、しばし考えてからゆっくりと口を開いた。
「……一般的に良い方、ではなかったな。だけどベッドからはみ出さなければ気にしなくていいんじゃないか。そのうち落ち着く」
「それなら先に教えてくれたら良かったのに」
つい膨れっ面をして抗議の声が出る。
「僕もあちこちぶつけて起きることはしょっちゅうだったから、言うほどのことではないと思っててね。バラすと怒られそうだけど、ひびきは一度ベッドから落ちてるし」
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