合成音声
「ね、イデアくん。あれやらせてよ」
「あれ……とは?」
研究発表が終わって完全にOFFモードの僕にケイト氏が尋ねてくる。内容はほとんど理解できなかったと言っていたが、ケイト氏も僕の発表を聞いてくれていたらしい。質疑が終わるなり秒で会場を離脱した僕のもとに、ケイト氏は大量の駄菓子を抱えて現れた。
「文章打ったらイデアくんの声でしゃべってくれるやつ!」
「な、ケイト氏気づいて……? もしかしてバレバレだった!?」
もしそうなら運営委員長様に何を言われるかわかったもんじゃない。せっかく激重タスクを終えたというのに、また鬼畜イベとかありえんのだが。
「ううん。オレ以外気づいてなかったと思うよ。さすがイデアくんの技術だね!」
1947