破れた電報戦争が終わって何年が経っただろう
とっても昔のような
ついさっきのような
そんな感じだ
今日・・・何度目かの重い腰を上げる
一歩ずつ慎重に歩く
歳は取りたくはないのだが
まぁ時間というのはかなり残酷だ
やっとの思いでタンスにつく
一番上の段を開けると
穴があくまで見た1枚の電報が
もう・・・何年もたってるから
破けたりしてまともに読めたもんじゃないが
今でも内容は覚えている
私の嫁が死んだという電報だった
死体は爆風で吹き飛び見つけらなかったし
見つけれなかったらしい
だから私は何度も見返した
これは偽物なんじゃないかと
これは誰かの悪戯なんじゃないかと
そんな事ないといまでも破れた電報は主張し続ける
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