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    yuni_okome

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    yuni_okome

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    名前共有してる放浪者がお名前キーホルダーを作るおはなし。
    旅人は「空」、放浪者は「そら」と表現しております。

    #空放
    soraho

    手の中の星空 / 空放 1.
    【そら】それが今の放浪者の名である。役職や漠然とした呼称ではない、今までに呼ばれてきたどの呼び名よりも『個』のあるそれを放浪者はそこそこに気に入っている。
    そして名付けた人間もまた、名を【空】といった。彼とは長らく敵対していたが、故に放浪者の全てを知っている数少ない人物だった。神の目を授かった後、またふさわしい呼称を失った放浪者に彼は自分と同じ名を提案した。
    対して、放浪者が理由を聞く事はなかった。そんなものはひとつしかない。スメールの囚人となった放浪者に、散兵・スカラマシュとして重ねてきた罪を忘れさせぬよう───恐らくこんなところだろう。けれどもどうでもよかった。彼がしばらく悩んだ末に口にした案というだけで、【そら】という名には価値がある。
    とはいえだ。
    結局はこれからも往く先々で様々な名で呼ばれるし、【そら】と自ら名乗る機会は多くはない。
    そもそも放浪者をその名で呼ぶのは今の所名付けた張本人だけで、草神クラクサナリデビに至っては『笠っち』などとふざけたあだ名をつけた。よって固有名詞がついたところで、数多くある呼び名がひとつ増えただけにすぎない。
    この認識に偽りはないのに。
    「…………はぁ」
    放浪者は木製の小さなキーホルダーを摘むと、溜息をつく。自分に対しての呆れと、少し浮かれている気持ちを冷ますためだった。それの中心に彫られた【そら】の二文字は、自らの手で施したものだ。



    つい数時間前の事だった。
    クラクサナリデビの『おつかい』、つまりパシリを終えた放浪者はグランドバザールにて、あるものを目にした。何度も訪れているこの場所であるが、今までに見たことの無い店が出ている。よく見れば、期間限定の催しのようだった。テーブル席が幾つも用意されており、今は一人の子供が真剣な表情で何か作業をしている。
    (おなまえキーホルダー……? )
    受付らしきテーブルの札には、一つ五百モラからと書いてある。物珍しさに単純な興味を持った放浪者は、気がつくと看板の詳細を読んでいた。
    「君もどうだい? 今は空いてるから、好きなだけこだわって作るといいよ」
    振り向けば、スタッフらしき若い男が屈託のない笑顔を向けている。放浪者はもう一度客入りを見ると、ふんと鼻で笑った。
    「僕に〝サクラ〟になれと? 」
    「そういう訳ではないよ。これが結構人気でね、今の時間帯は空いているけど普段は若い女性客で賑わうんだ」
    おなまえキーホルダー。つまりはわざわざ自分の名を提示し、持ち歩くというものらしい。今いるたった一人の客を見て用途を納得しかけた放浪者は、いや待てよ、と再び疑問を抱いた。
    「幼子は分かるが……ニンゲンサマの間では自慢の『名前』を見せびらかすのが流行っているのか? 」
    言ってから、別に特別おかしいことではないかもしれないとも思う。人間にしろ物にしろ、名前は大切なものだ。
    「いや、大体の客は他人の名を彫ってるんじゃないか? 想い人、友情の証、ペットとか……アイドルなんかの名前で作る女性客は多いようだけど」
    スタッフの男はくわあ、と欠伸をして、大層暇そうにしている。それはそうだ。たまたま足を止めただけの、まだ客ですらない通りすがりにここまでかまえるほど店は対応を要していない。
    放浪者は懐から五百モラを出すと、男に突き出した。
    「ただ名前を入れるだけなら五百モラだけど、装飾をつけるならプラス三百モラだよ。例えば、草神様の眷属と言われているキャベツの」
    「五百モラで充分だ」

    なんとなく興味を持ったから。時間があったから。
    それだけの理由で作ったお名前キーホルダー。今一度見てみると、表現しがたい感情がじわじわ湧いてくる。シティから離れた静かな木陰にて、放浪のお供人形にも見せるよう膝に座らせた。
    「まさか、自ら囚人の身分を晒すような物を作ってしまうなんてね」
    言葉とは裏腹に、放浪者の口角は微かに上がっている。
    「……【そら】」
    木製の星型にちまちまと彫ったそれは、見る度に旅人や草神への『借り』を強く実感する。二文字分の凹みを指でなぞる間、そよそよと風が吹き、笠の装飾は放浪者の機嫌を表すように揺れていた。
    キーホルダーなんてあっても、その使命を全うさせてやれないのに。
    膝の上にいる泣き虫な放浪仲間と、神の目と、その下につく金の羽。放浪者の所持品はそれくらいだ。よってキーホルダーとしての本来の使い方はできそうになく、ただ荷物が増えるだけだった。神の器として創り出されたが、その役割を与えられなかった自分と通ずるものがある。そう思うと、一層愛着が湧いてくる。
    人の気配のないスメールの大自然に視線を移し、不必要な空気を吸った。そろそろスラタサンナ聖所に戻らなくては、おつかいの帰りを待つ彼女に小言を言われるだろう。
    人形とキーホルダーを懐にしまうと、放浪者はお気に入りの木を後にした。数グラムもないガラクタが増えたところで、移動や戦闘に不都合はない。もはや中を確認しなければそこにあるか分からない程であるのに、放浪者は胸に心地よい重みを感じていた。




    2.
    塵歌壺なるものを譲り受けてから、空とパイモンが野宿をする頻度は明らかに減った。時に初心を思い出し星空の下を選ぶ夜はあるものの、基本的には洞天のベッドで安眠する日々を送っている。
    ベッドにテーブル、ソファ、風呂────完全に住処として利用している故に、建物の外のだだっ広い土地は持て余したままだった。特に面白みのないこの洞天であるが、それでも仲間達は好きに出入りしては羽を伸ばし、時に交流を楽しんでくれている。
    香菱が料理の腕を振るえば居合わせた面々はラッキーだと喜び、セノが居れば七聖召喚の相手に困らない。調度品の作成を手伝いに来るカーヴェは、酒を分けてくれる緑色の服を着た謎の少年が風神である事を知らない。
    「おっ久しぶりだな! 本読みに来たのか? 」
    隣にいたパイモンがふよ、と飛んでいく先には行秋の姿があった。彼と顔を合わせるのは、詩歌大会に参加した日以来になる。
    「旅人にパイモン、久しぶり。ここは静かだし他国の書物もたくさんあって興味深いよ」
    「気に入ってもらえてるならよかった。でも、どうしかした? 」
    書斎は二階の一番奥で、今行秋と空達が会話しているのは一階の廊下だ。それも何も無い壁を見上げていて、パイモンが気づかずともいずれ空が声をかけただろう事は明らかだった。
    「落し物を拾ったんだ。だから持ち主が気がつけるように、一番目につく場所にかけておこうかと思っていた所でね」
    はい、と差し出されるそれに空は反射で手を出した。
    「ありがとう、俺が預かって持ち主を探すね」
    「それは君のだろう? ちょうど良かったよ」
    「え? 」
    行秋の反応から手の中に視線を落とすと、そこには確かに「そら」と刻まれている。星型に加工された小さな木材は、つるりとした手触りも相まってスメールの地を彷彿とさせた。
    「オマエ、こんなの持ってたか? ただの木に見えるけど……名前を入れるなんて、すごく大事なものって事だよな? 」
    覗き込むパイモンは小首を傾げたのち、実はすごい価値のあるものなのかと瞳を輝かせて空を見た。けれども、恐らくこれはただのキーホルダーだろう。彼女が期待するような高価なものではないし、そもそも空の所持品でない。
    空にはもう落とし主の見当がついているが、それよりも、その人物が洞天を訪れていた事実に驚いた。
    『知り合った仲間なら誰でも利用していい』という雑な管理をしているものの、彼だけは呼んでも一度も来なかった。とはいえ、特に面白い調度品がある訳でもない。馴れ合いを好まない性格も知っているし、空もそれ以上誘う事はなかった。
    自然のぬくもりの中に、機械が施したかの如く整った『そら』の文字。しかし実際は、感情を持った者の想いが込められている。
    「確かに、これは見た目以上の価値があるものだよ」
    「やっぱりそうなのか! どのくらいに……いやっ、オイラ売ろうなんて考えてないぞ! 」
    勝手に慌てふためくパイモンから隠すように、空は落し物を背後へ隠した。もちろんじゃれ合いの範疇で、けれども『それ』を好機の目に晒すのはよくない気がしたのもあった。想いが込められている事は分かれど、一体どんな想いが込められているかまでは空にも分からない。
    あらためて行秋に礼を言うと、空は洞天を離れた。ぼん、と壺から出たそこはモンドの地で、先程まで特産品を集めていた事を思い出す。
    「パイモンは洞天で休んでてよかったのに。これからスメールに行くよ」
    「スメール……今からか?! ここモンドだぞ、朝になっちゃうだろ! 」
    「うん、だから戻ってのんびりしててよ。寝室の棚にあるおやつは食べていいから」
    月の位置と星空を見上げて、おおよその時刻を把握する。
    人形に食事や睡眠は必要ないと言っていたが、普段はどんな夜を過ごしているのだろう。無くし物の行方を気にしているくせに、感情を悟られないように強がっているかもしれない。
    「……【そら】」
    勝手にあれこれ想像をすると、どうにも『明日届ければいいや』とは思えなかった。たとえ着くのが翌日の朝になったとしても、いち早く彼に返せるのならそれでいい。



    3.
    例のガラクタが無くなっている。
    それに気がついたのはつい先程、クラクサナリデビに提出する論文を書き終え、教令院を出ようとした時だった。
    ワークショップに参加したのは先週のこと、あれからずっと持ち歩いていたつもりだった。特別大切に扱っていた訳では無い。『有る』のが当然で、寧ろ気にする対象ではなかった。故にいつまで懐に入っていたのか、それすらも分からない。
    あのキーホルダーを持ってから、放浪者は無い心のかたちの分、空いているのが当たり前だった胸にぱちりと何かがはまったような感覚がしていた。だが、そんなのはただの気の問題だった。
    落としても気がつかなかったくせに、気づいた途端また胸がスースーとし出したのがいい証拠だ。
    そもそも、あれは文字を彫っただけのただの木だ。なんの価値もない。かかった費用もたった五百モラの、人間の下らない娯楽品だ。何かの役に立つこともないのだから、無くなったところで不便はない。
    そう思いながら放浪者は自分の行動を振り返り、訪れた場所を辿っていた。
    知恵の殿堂、スラタサンナ聖所、二箇所を行き来するのに使った道には落ちていない。草神からの呼び出しをくらうまではマウティーマ稠林で静かに風を感じていたが、如何せんこの国はひとつの区域が広すぎる。あの場所で落し物を探すなど、馬鹿のやる事だ。
    「そもそも今日落としたとは限らないじゃないか、馬鹿馬鹿しい。ねえ、君も僕の服の中に居たんだから教えてくれてもよかったんじゃないの」
    あの日と同じ木陰で膝に座らせた人形は、理不尽な文句を受けて涙を流している。否、せっかくの『仲間』がいなくなった事に涙しているのかもしれない。そしてキーホルダーを見せたあの日は、自分の名前を慈しむ放浪者の声色や表情に涙を流していたのかもしれなかった。

    明るい月の光が、今夜もテイワット大陸を照らしていた。
    睡眠の要らない人形たちは毎夜場所を変え、スメール中の高い木の上で空を見て過ごしている。
    特に何をする訳でもない。けれども何もしないのは何より難しく、心はないくせに自我がある事を煩わしく思う夜もあった。
    意識を持たず、手足を動かすことも出来ない人形だったならいちいち感情に振り回されることはないのに。生まれた時からよく涙ばかり流していた事を思うと、何百年経とうが『欠陥品』は『欠陥品』なのだと自覚せざるを得ない。
    先週だって、本当は弾んだ胸を誰にも悟られたくなくてこの場所を訪れた。けれども今はまた物を失った事に対する諦め、感傷に浸りたくてここへ来た。
    日付が変わった現在、高所から見渡すスメールシティは寝静まり始めている。人間では簡単にたどり着けない大きな木の上は、放浪者が己を俗世から切り離すのにうってつけの場所だった。
    (…………)
    またひとつ、景色の中の明かりが消える。その瞬間を目にした時、ふと、放浪者はある事を思い出した。
    二日前の夜だ。
    その日は全く風が吹かず、いつにも増して退屈な夜だった。草神が服役中の放浪者に対し求めたのは、『因論派の学者として学び、過去の因果を清算すること』『人との関わり方を学ぶこと』。それ以外の拘束はほぼ無いに等しく、夜は干渉されない。人間は夜の間は眠るから、つまり関わりようがないわけだ。
    雲のない星空はやかましい程にキラキラと瞬き、放浪者に暇を潰す手段を与えているかのようだった。まるで【空】─────同じ名を持つ旅人のようにお節介で気に入らない。
    けれども、そこから連想するように以前彼に誘われた洞天とやらの存在を思い出した。今までずっと断ってきたが、最近は気分も悪くない。暇を持て余した今夜は行ってみてもいいかもしれない。
    どうせ人間は眠りこけている時間だ。誰にも顔を合わせないだろう、と。
    (……もしかしてあの場所で落としたか? )
    段々、眉間が険しくなっていく。
    可能性があるのなら今すぐ探しに行きたい。取り戻したいというよりも、誰かに拾われたら面倒だという意識が大きかった。あれには【そら】と刻まれているのだ。旅人が気づかずとも、お仲間に拾われれば必然的にその名を持つ人物の元へ届けられてしまうだろう。
    思えばいてもたってもいられず、放浪者は傍らに置いていた笠を被った。先日のように朝が来るまでに去れば問題ない。
    そうして、座っていた木の枝を後にしようとした時だった。
    「いた! おーい、【そら】! 」
    突如大きな声で名を呼ばれ、放浪者の肩がびくりと跳ねる。幾ら宙を飛べるといえ、ここは木の上だ。そよぐ風と虫の声しかない静かな森を壊す騒音に体勢を崩し、咄嗟の元素力でふわりと浮いた。
    「やっと見つけたあ……」
    下を見やれば、ぜえはあと息を切らし、膝に手をつく旅人の姿があった。時刻も相まってただ事ではなさそうだと察するも、放浪者は地に降り立つといつもの調子で腕を組んだ。
    「人間は眠る時間だろう、それに夜は騒いじゃいけないって教わらなかったのかい? 」
    「あぁごめん……すっごい探し回って、やっと君を見つけたからつい」
    「それでなに? 急用なんだろう」
    よく見れば、いつも彼の隣でふよふよしている相棒がいない。それとこんな時間に自分を探しまわっていた事は関係があるのだろうと思うと、挨拶や前置きはわずらわしい他になかった。
    「そう、急用で来たんだよ……はい、これ」
    これ、と言うくせに握り拳を差し出してくるものだから、何が入っているのかを確認する事ができない。けれども旅人相手に警戒など今さら馬鹿馬鹿しい放浪者は、黙ってその何かを受け取った。
    そして、己の手の中を見た生意気な瞳は大きく開かれる。
    「君のだよね? 洞天に落ちてたよ」
    汗をかいたままの旅人が、やっと整ってきた声で続ける。放浪者は、再び戻ってきた星を隠すように強く握りしめた。
    「……ふん、こんな物のために汗だくで走ってきたのかい? この国は無駄に広いのに、僕の居場所まで探し当てて……暇人なんだな」
    「君が探してるかもって思ったら早く渡したくて、急いで来ちゃった。それに、俺が会いに行かないと会えないでしょ」
    囚人の身分といえ、神出鬼没な放浪者と偶然出くわすのはほぼ無理に等しい。だからこそ、この『落し物』が洞天にあった事実は旅人にとって嬉しい他になかった。まるで警戒心の強い猫に少し人馴れの兆しが見えた時のような、ほっとした感情を覚える。
    一方、全て見透かされている事を察した放浪者は、笠を斜めに顔を隠した。
    洞天来てたんだ。
    名前、そんなに気に入ってるんだね。
    そんな風に言葉にして放浪者を揶揄えばいいものを、旅人にそのような素振りはない。ないのがまた、『扱い』を把握されている気がして気に入らない。
    「届けてくれた事には礼を言う。けれど生憎僕に決まった住処はないからね、茶も用意してやれない。早く帰った方がいい」
    「じゃあ今夜は洞天に来ない? 走って喉乾いたし、君が淹れる稲妻のお茶飲みたいなあ」
    「行かないよ。……あの、白いちっこいのは」
    「パイモンなら先に壺の中。もう遅いし、パイモンが居たら『それ』受け取らなかったでしょ? 」
    なんでもなくサラッと答える人たらし具合は、どんな魔物よりも恐ろしい。この男はこうやってテイワット中をたらしこんでいるのだろうと思うと、恐れを通り越して呆れを感じ始める。
    放浪者は溜息をつくと、名前の刻まれたキーホルダーを懐にしまった。
    「……一杯だけだ。人間はカフェインを取りすぎると眠れなくなる」
    「やった! ……それであのさ……その…………」
    「何? まさか食事も作らせようと考えてるんじゃだろうね」
    「え、作ってくれるの? 確かにお腹すいてるしそれは嬉しいけど、いやそうじゃなくて」
    突然視線を逸らし、もごもごと歯切れの悪くなった旅人の様子に眉を顰める。ほんの数分前までいつもの調子だったのに、やはり人間の感情の振れ方は放浪者には理解できなかった。けれども今目の前にある表情を見るに、良からぬ事を言い出そうとしている事だけはわかる。
    「そのキーホルダー……俺の名前? だったり、して……? 」
    月明かりによって、その頬の微かな桃色が晒される。
    放浪者は彼の言葉の意図をすぐには汲めず、珍妙な表情を睨みながら『はぁ? 』と返した。
    「そんな訳ないか。ごめん、行こっか」
    旅人は早口でそう言うと、一体何処へ行こうとしているのか、深い森林の奥へと歩き出した。目的地は自分の所持品の中ではないのかと思いながらも、放浪者は止めずにその背中を見つめる。
    (『俺の名前』? これは僕の名前を刻んだはず……、)

    【そら】

    瞬間、放浪者はぶわっと何か大きな感情に支配されるのを感じた。
    羞恥。怒り。このどちらかに近い気がするが、どちらからも遠い気もして、理解に苦しむ。けれども謎を解いている場合じゃない。無いはずの熱が込み上げるような感覚に、いても立ってもいられなかった。
    「自惚れるな! 僕が君の名前を、肌身離さず持ち歩く訳ないだろう!」
    衝動のまま放浪者が発した大声は、スメールの夜空に吸い込まれていった。
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