あのときよりも痛かったW杯決勝、冴からのパスを受け取って最後のゴールを決めたのは凛ではなく潔だった。そしてすぐに試合の終わりを告げる笛が鳴った。ああ、俺じゃダメだったんだ。そう思ったその瞬間、凛の胸にズキリと痛みが走った。数年ぶりに感じたその痛みはやがて大きくなっていき、凛は耐えられずその場で倒れ込む。それに気づいたチームメイトたちが凛の元へ駆け寄る。観客たちも突然の事で優勝に喜ぶ間も無くどよめいていた。
まるで今まで感じていなかった痛みが一度に襲ってきたかのようだった。どこかを怪我している訳では無い。しかし凛を襲う痛みは確かなもので、わけも分からずパニックになった凛は呼吸すらままならなくなった。
「ッ、、…ぅ、はッ、」
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