かわるこころ 「ショー、タイ、、ジョウ」
研究室のテーブルに置いてあった手紙を読み上げたあと、赤い帽子が傾く。
「アルベドおにーちゃんパーティに行くのクレーも行きたい」
キラキラと目を輝かせながらアルベドに尋ねる。周りをピョンピョン跳ねるさまは兎のようだ。
「テーブルのものを勝手に触らないっていう約束を忘れたのかい」
ひょいと手紙を取り上げて、クレーの手の届かない棚の上に置き直す。
ずるいと唸るクレーを宥めていると、実験中のスクロースが横目でアルベドに声を掛ける。
「アルベド先生、まだお返事してなかったんですね」
「なんの招待状なんですか」
賑やかな声に気付いたティマイオスが続けて尋ねる。
「以前、枕玉先生の小説の挿絵を描いたんだけど、その小説が稲妻で賞を取ったようでね。
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