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    nmc29bananaxxx

    @nmc29bananaxxx

    君と篤に飢えた妖怪
    なんでも食べる
    絵とSSS無節操にぽいぽいする

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    nmc29bananaxxx

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    髭の話

    だって男の子だもの 珍しく、君島のほうが先に覚醒した。普段は寝覚めが良い遠野が早々に起きて、君島が目覚める頃には朝食の支度が出来上がっている。君島はまだぼんやりとした目を擦りながら、未だ夢の中の白い面差しを眺めた。
    (黙っていると本当に綺麗ですね……処刑処刑とやかましい人とは同一人物とは思えない)
     そんな騒がしい男と日々を共にするようになってから、もう何年経つだろう。君島は苦笑し、そっと彼の頬に触れた。
    (……おや?)
     よく見てみれば、口元にうっすらと髭が生えている。遠野とて男なのだ、当たり前といえば当たり前なのだが、いつも先に起きてさっさとシェービングを済ませているから、こんな姿を見るのは意外と初めてのことだった。
    「アナタも、髭が生えるんですよね」
     ぽつりと零した独り言が、耳に届いたようだ。遠野はゆっくり目を開けると、眉間に皺を寄せた。
    「……アァ?朝から何言ってんだ」
    「すみません、起こしてしまいましたか」
    「当たり前だろ、テメェと違って脱毛なんかしてねえんだよ」
     ぺたぺたと君島の頬を触る手は、少しかさついている。
    「触らないでください」
    「自分勝手なヤツだな、俺には勝手に触るじゃねーか」
    「私はいいんです」
    「フッ、ほんとワガママ」
     起きるか、と大口を開けてあくびをする姿は、気儘な猫のようだ。君島は遠野の髪の毛を指先で弄びながら呟く。
    「でも、遠野くんは髭、似合わないですよね」
    「俺も生やす気なんかねえよ。多分伸びねーし」
    「なるほど」
    「君島がヨレヨレの無精髭生やしたジジイになるとこ、見たかったけどな。お前も生えねーんじゃ仕方ないか」
    (それって、歳を取っても一緒にいること前提ですよね?)
     遠野が当然のように話すことに不意打ちを喰らっているのを、彼は気づいているのだろうか。君島は慌ててリビングへと向かう背中を追った。

    End.
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