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    nmc29bananaxxx

    @nmc29bananaxxx

    君と篤に飢えた妖怪
    なんでも食べる
    絵とSSS無節操にぽいぽいする

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    nmc29bananaxxx

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    色々出る前に妄想しとこうぜ4

    GOLD「ちょっと、起きて!」
     正月休み、実家の布団でぬくぬくと微睡んでいた遠野は、母に叩き起こされる。
    「……ぁ?何?」
    「キミ様からすごい荷物来てるんだけど!どうすればいい⁉︎」
    「は?」
     何故ここで君島の名前が出てくるのか。むくりと起き上がり、促されるまま居間に赴くと、クーラーボックスの中身を取り出しては感嘆の声をあげる祖母の姿があった。見てみれば、その荷物は遠野ではなく母宛てになっている。
    「何だ、これ」
    「蟹とか鮑とか、美味しそうな物が沢山入ってるのよ!ほら見て」
     母に手紙を手渡される。どうやら荷物に同封されていたようだ。
    『お正月はオードブルを作られるとお聞きしました。お口に合いますように』
     見覚えのある、少し角ばっているが整った文字。そういえば、実家での正月の過ごし方を話したことがあるような気がする。
    「あとこれ、こんな高そうな物いただいてもいいのかしら……こんなの初めて見たわ」
     戸惑いの声に母の手元を覗くと、いかにも高級な木箱の中に、金メッキが施された真鍮のケースが入っていた。
    「アルマス……ペルシカス……?」
     開けてみれば、燦然と輝く小さな金色の粒がびっしりと詰まっている。神棚に飾ると言う祖母を制して、遠野は電話をかけた。
    「おい君島、何だこの金色のは」
    『金色?……ああ、アルマスですか。キャビアですよ』
    「キャビアぁ⁉︎」
     遠野の甲高い絶叫に母と祖母が肩を跳ねさせるのが、視界の隅に見える。
    『オードブル、作られるんですよね?金色のキャビア、お正月ですし縁起が良いでしょう。使ってください』
    「いやいやうちのはそういうのじゃねえから!カナッペ作れってか⁉︎」
    『ええ。美味しいですよ?食べてみて』
    「今か?」
    『今』
     恐らくここで実食しないと、この男は青森まで押しかけかねない。それを知っている遠野は、真鍮のケースの横にご丁寧に添えられたまたもや金色の細いスプーンでキャビアを掬い、口の中に放り込んだ。
    『どうです?』
    「ん……海の味?」
     盛大なため息が聞こえてきたが、こちらに食レポを求めるのが間違っているというものだ。君島の小言を右から左に受け流しつつ、遠野はこのきっととんでもない値段がする代物をどう捌くべきか頭を回らせた。

    End.
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    nmc29bananaxxx

    MEMO📕のアレ 月+篤 ちょっと🗼🗼匂わせ
    さして興味はない、が 目当ての本を無事購入し、越知は都内の街並みを歩いていた。ふと、特大広告が目に留まる。
    (君島か)
     近頃の君島は芸能人としての人気がますます高まっているようで、そこかしこで彼の姿を見かけるのだ。相変わらず活躍しているようで何よりだと思いながら、スマートフォンを取り出してカメラを起動させた。
    (……悪くない)
     人が写り込むことも、光の反射が入ることもなく、なかなか良い写真が撮れたのではないか。だからと言ってどうということもないが。スマートフォンをポケットにしまい、また足を進めるとカフェが目に入った。少し休憩でもするかと、店内に入りコーヒーを注文する。
     一息ついたところで、先ほど撮った写真を思い出した越知は再びスマートフォンを手にし、トークアプリを起動させた。通知の一番上にあるトーク画面に、写真を送信する。ほどなくして『新しいCMのやつですね!めっちゃかっこいいです!』という返信と、キラキラと目を輝かせるうさいぬのスタンプが送られてきた。越知はこうして、君島を慕う後輩のためにときどき写真を送ることがある。そのたびに良いリアクションを返してくれるから、口角も上がってしまうというものだ(喩えそれが誰にも気づかれない程度だとしても)。
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