Heartbeat of the stars 最初の一言はほんの気まぐれだった。星について語る凪砂の横顔があまりにもキラキラしていて、この空高く光る惑星に想いを馳せる彼の願いを叶えてあげたいと思った。
「じゃあ、一緒に星を見に行くかや?」
そう言うとぽやっと見上げる彼の表情が見たことないくらい驚いていて、こんな顔も出来るんだと心の中で思った。
○
時は一時間前に遡る。つむぎにオススメされた『星占いから見る経営術』というお世辞にも面白くも役にも立たない胡散臭い本を返しにブックルームに立ち寄った時だった。
時刻にして十九時を過ぎた頃。あと三十分ほどで閉館するブックルームは既にスタッフの姿も来場者もおらず、しんと静まり返っていた。
「青葉くんのやつめ……」
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