孫家のアルバムは分厚くて、華やかだ。
一番最初に貼られた写真は悟空とチチの結婚式の写真で、一番新しいものに関してはもう十才を過ぎた孫娘パンの写真が多い。
「キレイにやってくれてたんだな」
アルバムをめくっていた悟空が呟く。
写真は撮られても別に構わないが、悟空自身はあまり撮ることに関しては必要性を感じていない性質だ。それを示すように、アルバムの中は悟空や悟飯と悟天に、義家族であるビーデルやパンのものが多い。それは写真を撮る主な人物が悟空の妻、チチであることを示している。
彼女単体の写真はないわけではないが他の者より少なく、他の第三者に撮ってもらっての家族写真の方が多いくらいだ。
しかしながら、少なくも単体写真はあるわけで、そのうちの一枚であるはにかんだ笑顔の写真に悟空の金色の瞳は釘付けになっていた。
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