子どもが仕事をするな(仮題)事故(あるいはオーターへの呪いの飛び火)で6歳くらいの体になってしまったワース!しかし中身は大人のまま。たまたま研究室にいてそばに誰もいないから、大きすぎるシャツ一枚だけをまとってどうしたものかと考える。このまま歩いて出るのは危険だし、なにより沽券に関わる。脱げた服はまとめて隠した。
靴も大きすぎて履いて歩けず、シャツの裾も床についている。体だけは随分成長したんだなぁと他人事に考える余裕が出てきたところで、魔法の確認を始めた。問題なかった。ならいいか。ワースは椅子の上に乗りあがって、大きな紙に書かれた報告書を読み、いつもより言うことを聞かない手でサインする。永続的にこの状態なわけない。誰の魔力を消費しているにしても終わりは必ずある。それに小さくなったところで中身は変わらないんだからやるべきことはやらないと。効率は落ちてもやらないよりマシ。ワースは大きくない手でペンを持ち、ガリガリと報告書をさばいていった。
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