陰火揺らめく夜にその日ジャックは上機嫌でした。
なんたって今日は生者は仮装し、死者はこの世に還る日。人ならざるものが混ざってもそうそうバレやしません。
ジャックが悪戯する相手を探してぶらぶらしていると一人の少女を見つけました。
仮装もせず人目につかない所で座っている少女の近くには、友達も家族もいません。
「やぁ、こんばんはお嬢ちゃん。」
これはいい相手を見つけたぞ、そう思いながらジャックは少女に話しかけました。
普段であれば少女は驚いたでしょう。だってジャックはカボチャ頭なのですから。でも今日はハロウィン。特に驚きもせず、少女は言いました。
「…おじさん誰?」 「俺はまだお兄さんだと思うんだがなぁ…」
まぁいいかと肩をすくめ呟いたあとジャックは続けます。
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