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    watawa_1130

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    watawa_1130

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    雨の日シリーズ
    雨の日の体温の前日譚

    二人が初めてセッした時の話、作中にある玄関でした時の話。シリアスめ。


    記憶を失い村から帰ってきた水木は墓で赤ん坊を拾った。はじめはは殺すつもりだった。しかしできなかった。そうするべきでないと思った。
    なぜこの子を見ているとこんなにも胸が締め付けられるのか分からなかったが、その子と暮らすうち水木はだんだんと村での記憶を取り戻した。
    出世欲は失せ、最低限の仕事をこなし赤ん坊のために足早に帰宅する日々。もちろん営業成績は落ち、給料も目に見えて減った。でも水木には、自分と赤ん坊の二人くらいならなんとか生きていけるだけの貯金はあった。以前のようにとはいかずとも、営業成績を立て直し生活を安定させようと奮闘していた。
    そんなある日ゲゲ郎が戻ってくる。
    約束は果たしたぞ、と笑いながら宣った男を前に、水木は玄関先で泣き崩れた。

    これで親子共々幸せに、ともいかない。
    鬼太郎はまだ赤ん坊だ。いくら幽霊族と言えど、乳飲み子に固形物を食べさせるわけにもいかない。しかもいるのは、子育てのなんたるかなど分からない男二人だ。
    水木はまたがむしゃらに働き始めた。以前のように成り上がる為ではない、大事なものを守る為に働くことは悪くなかった。なんだかまともになれたような気もした。
    しかし大人二人に赤ん坊一人が暮らしていくのに必要な金を、出世欲を失った水木がすぐに稼ぐのは難しかった。困っていたとき、枕営業の話が入ってきた。以前から稀にあることだった。こんな傷モノで見てくれもそれほど良くもない男の何がいいのかさっぱり分からないが、何度か声がかかって、その度に上手く断っていた。しかし今は金がいる。あの二人にひもじい思いはさせたくなかった。彼らの自分の身を差し出すことに全く抵抗を感じなかった。

    男に抱かれるのは気持ちが悪い。最低最悪の時間だ。しかし初めてというわけでもなかったし、一回受けるだけでかなりの額の金が手に入る。
    ただ不思議なことに仕事で男に抱かれるとき、無意識にゲゲ郎のことを考えていることがあった。回数を重ねるうち、俺はあの男を好いてしまったのだと気づいてしまった。吐き気した。なんて最低な。

    気づいてしまってからは、仕事で抱かれる時、これは罰なのだと思うようになった。友に悪辣で歪な感情を向けてしまった罰なのだと。
    ゲゲ郎は俺が枕をしていることなど気がつかないだろうと思った。そもそも男同士なんて思いつきもしないだろうと。だから、ゲゲ郎にそれを尋ねられたときあまりの衝撃に息ができなかった。ゲゲ郎は酷く傷ついた顔をして、やめよ、と言った。
    水木はやめなかった。生きていくのに金が必要だったから。
    違う。いまだに消えぬ恋情から生まれる罪悪感に、罰を受けないと気が狂いそだったからだ。

    枕をやめてないと知ったゲゲ郎と口論になってそのまま押し倒された。背が床についても、状況が理解できなかった。そしてそのまま犯された。
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