ビー玉と真葛3「祭りってさ、誰かと行くからいいんだよね。1人で行ったら『今ってひとりぼっちなんだ』って寂しくなるだけだもん」
　曰く、凛月。それはそれでとても意味のある言葉だと思う。俺も思い返せば、祭りは誰かといった思い出しかない。家族や友人、恋人になり損ねた女の子。羽風薫。
　大人になってからだと少し考えが変わっていく。誰と行ってもいいし、誰とも行かなくてもいい。窓から小さく聞こえる音を見つけて、その遠くで光る瞬きを携帯に収めるだけで、そう言うお祭りに行った気分になれる。
　後から気づく。きっと寂しいと言う気持ちは、誰かと居たことがあるからわかる痛みなんだ。初めから1人なら、その痛みを知ることはない。勝手に隣にいたはずの誰かを想像して、勝手に痛むもの。

surprise　「晃牙くん晃牙くん！」
　「…あ？」
　
　大きな声に叩き起こされた。目を開けるが、薄暗い。ようやく夜明けになった頃だろうか。
　
　「おはよ！朝早くからごめんね！お誕生日おめでとう！はい、行ってきます！今日は帰るからね、何か好きなもの買っておいて！一緒に食べよう！ケーキは俺が買うから！じゃあまたね！！」
　「ぐ、苦し…！」
　
　まだぼんやりした意識の中、力強く抱きしめられ、口づけをされ、捲し立てられて、一気に解放された。バタバタと慌ただしく玄関のドアが閉まる音がする。
　
　「行ってらっしゃい…」
　
　恋人のいなくなった空間に小さく返事をする。それから布団を整えて、目を閉じたが、むず痒くて一人で、ふふふ、と笑った。

【凪洁】兔兔家族 番外4　　「家族建设中」

　　

　　

　　婚后二人限定的幸福时光转眼就过去了三年，在凪的支持下，洁终于拥有了属于自己的烘焙小店。今年也是店铺平稳运行的第一年，洁作为老板忙得不可开交，经常是早出晚归，没有休息，两个人的时间完全错开，现在凪也学会了早点起床，好和洁多腻歪几分钟。

　　“小世，今天早点回家行不行啊？”

　　“我尽量，要看今天的订单数，我会在七点前赶回来的！”

　　实际上洁的正常下班时间都在九点，恰好赶上凪的直播时间。怀着歉疚，洁决定还是要忍痛多雇几名店员，至少每周应该留出一两天陪陪家里人。工作和家庭应当兼顾，洁的妈妈也提醒过他几次。

　　“好啦，诚士郎，乖乖地在家等我。让我把外套穿上好不好？”

　　“晚上你都睡着了，我们有段时间没做了……”