【ビーフシチューを食べよう】「七海さん。」
「はい。」
「ナナミン!」
「はい。」
「七海さ~ん!」
「はい。」
七海は天然人たらしだ。
僕の生意気でかわいい生徒達をすぐに懐柔した。
それどころか七海を警戒していた琢真も補助監督達も、今じゃあ七海にメロメロだ。
自販機で缶コーヒーを買っているだけで皆集まってくる。今も補助監督達に囲まれていた。
「あぁ、そうだ。」
「どうしました?」
「先程この前言っていたマクロを組んでおきましたので使ってください。」
「えっ!?ありがとうございます!」
「七海さんマジ神…」
「流石七海さん…!」
「大袈裟です。それに、」
七海は缶コーヒーを一気に煽り、缶を握り潰す。
「神なんていませんよ。」
その言葉に、表情に、はしゃいでいた全員が口を閉ざす。
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