「タケなんか顔しか良いところないくせに!」
またアイツがキレてタケを詰ってる、ほっときゃいいのに。タケには言っても無駄なんだよ、バカだから。
「はぁ!? このタケ様はスタイルも良いだろうがぁ!!」
ほら、反論もなんかズレてるし。
「それはそうなんだよな…」
納得してんなよ、そういえばこいつもちょっとバカなんだよな。
「確かにタケは顔も整ってるし、股下も二kmあってゼルージュで一番の色男ではあるんだよな…」
「さすがに二kmもねぇよ! あとお前、俺の声も好きじゃん」
「それもそうなんだよな…やっぱり骨格が優勝してるから自然と声帯も優勝してるんだよ、お前…かなわねぇよとても…」
顎に手を当てて真面目に語るな、タケに言いくるめられるのお前くらいだぞ。
あとゼルージュで一番色男なのは俺だし。
「それに俺は可愛いところもある」
なにこいつ、誰が生み出したんだよこのモンスター。
「あるある! 愛嬌ない顔してるのに!なんでか可愛げあるよお前!」
犯人お前じゃん絶対、自分が生み出したモンスターは自分で始末しろよ。
「つまり俺は顔もスタイルも声も良いし可愛い、そんな存在を怒鳴っても良いのかよ! なあ!」
「だ、ダメかもしれない……ごめん」
バカとバカの喧嘩ってこうやって終わるんだ、平和なもんだな。
◆
「そういえばお前って大男の人殺しじゃん、全然可愛くねーわ! コージくん教えてくれてありがとう」
「気にすんなって、俺はタケと違って性格もいいからほっとけなかっただけだよ」
「コージぃ!! 何で余計な事言うんだよ!!」