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    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せれるもんじゃない)のんびりまったり上げたりします。

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    結月(ゆづき)

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    性癖パネル④洗脳(その後精神崩壊)自由後のシンキラ

    #シンキラ
    cincilla
    #SEED

    ④洗脳(その後精神崩壊)自由後のシンキラ 「ーーっ! キラさんっ!!」
    懸命に手を伸ばしても、キラから手を差し出されることは無かった。

    キラがシンを見る目はとても冷たかった。

    何故こんなことになった? なぜキラがコンパスに攻撃を? なぜ?


    ファウンデーション事件後、コンパスは暫しの活動停止を経て、再び世界の紛争を止めるべく行動を再開した。
    一時期オーブに身を隠していたキラもコンパスへ復帰する運びになり、復帰の際にユーラシア連邦に対して行った領域侵犯の件を説明せよと言われていた。
    総裁であるラクスは先に復帰し三国同盟へ説明するべく会議三昧の日々だった。
    停止中もキラは自宅でプログラミングに勤しみ、いつまた動ける様にと準備は欠かしてなかった。

    戻ったミレニアムでは、ヤマト隊のシン、ルナマリア、アグネスと、隊員の欠けたヒルダもヤマト隊に入る事になった。
    キラから単身でユーラシア連邦へ行くと話をしたら、皆から大反対を受けた。特にシンから強く反対された。

    「俺は反対ですよ! キラさん単身で行くなんて!」
    絶対何か裏があるに違いない。
    そうシンは訴えたが、キラは首を横に振るばかりだ。

    「ありがとう、シン。でもやった事の責任はちゃんと果たさないと。いくらあの時彼らの影響だったとはいえ、撃ってしまったのは事実だ。僕はそれから逃げるつもりは無いよ」

    ふわりと笑うキラは、以前のような思い詰めた表情ではなかったが心配は尽きない。

    「だって! でも! くそっ! あいつら、なんでまたキラさんだけで来いなんて!」

    いくらあの国が弱体化しているとはいえブルーコスモスも未だに残る国だ。キラだけで来いと言うのはどう考えても怪しい。ターミナルのアスランやメイリンにも助言をと考えたが、いう前にキラから止められた。

    「アスランには言わないでね。まぁ情報としては入ってるかもしれないけど。そんな顔しないでよ、シン。本当に大丈夫だから」
    困った様に笑うキラはシンの頭を撫でてくる。
    ファウンデーションの一件以来、キラはシンの頭をよく撫でる。アグネス曰く、犬扱いじゃない?との事だが、キラに撫でられるのは嫌いじゃない為シンは大人しく受け入れる。

    「約束して下さい。ちゃんと戻って来るって。あ、あと、3日が限界ですからね! 3日経ってもキラさんが戻らなかったら俺、ユーラシア連邦に乗り込みますから!」
    「わ、分かったよ。早く納得して貰えるように僕も頑張るね」

    シンの言葉はユーラシア連邦を全く信じてないのが分かる。キラも単身でという条件に引っ掛かりを覚えてはいるのだ。だが、もしキラの身に危険が迫る事態になれば、シンはおろかアスラン、ラクス、オーブのカガリも黙っていないだろう。本当はラクスもアスランも、カガリだってキラの単身でのユーラシア訪問を止められていた。
    だが、キラが向こうがそれで納得してくれるかもしれないと押し切ったのだ。事実はどうあれ撃った責任はキラにあって、それから逃げたく無かった。


    そしてキラが単身ユーラシア連邦へ訪問する日がやってきた。流石にフリーダムに乗って行くのは不味いだろうとの事で、ムウが操縦するアカツキに乗せて貰った。
    「なんでおっさん!? 」とシンは不服そうだったが、ムウが「おっさんじゃない!」と返した会話でキラは笑ってしまった。
    以前よりも更にシンとムウの仲が深まったなとキラは喜ぶ。

    「キラ、本当にいいんだな?」
    ユーラシア連邦の基地が近付いて来て、ムウか、最後の確認だと聞かれた。
    みんなから心配されているのを感じながら、キラははい。と返事を返した。
    ムウはやれやれと言いたげに溜息を漏らし、軍事境界線前で迎えに来ていたユーラシア軍と合流した。
    ムウと共にアカツキから降りると、ユーラシア軍の大将クラスの人物が迎えてくれた。

    「お待ちしてましたよ、ヤマト准将」
    「よろしくお願いします」
    「⋯⋯そんなに怖い顔をしないで下さい。きちんと准将の身の安全を保証しますので」
    「あぁ。おたくらが俺達を敵に回す事はしないと信じてるよ」
    「もちろんです。さぁ、准将」
    「ムウさん、後はよろしくお願いします」
    微笑んでキラはユーラシア軍のジープに乗せられて置くにある軍基地へ連れて行かれた。

    まさか、この後皆が危惧する事が起こってしまうとは思わなかった。


    「到着しました。それでは我々はここで失礼します」
    「ありがとうございました」
    キラは案内してくれた軍人に礼を言うと、ユーラシア軍の要人達が待つ部屋に案内された。

    「お待ちしてました、ヤマト准将。領域侵犯の件、納得の行く返答を頂けることを切に願いますよ」
    キラに刺さる視線はとても歓迎しているとは言えないが、キラは強い意志を持ってあの時の事を話した。

    「なるほど。あなたの言い分は分かりました。とりあえずは納得という形で了承しましょう。三国同盟にも抗議の件を下げると連絡しましよう」
    「ありがとうございます」
    話を分かってくれる人で良かったと安心する。これなら皆が心配する前にミレニアムに戻れそうだ。

    「今日はもう遅いですから、こちらで用意させた部屋でお休み下さい」
    「え? でも⋯⋯」
    「大丈夫ですよ。あちらに連絡を送りますから」

    今日話をした限り、ユーラシア軍の人達は誠実な人達が多いと感じた。ブルーコスモス思想が根強いのではと思ったが、要らぬ心配だったのかもしれない。万が一の為にトリィを潜ませていたのだが、これなら。

    「分かりました。お気遣い感謝致します」
    お辞儀をしてキラは別室へ案内される。

    キラはハッキリ言って油断していた。ユーラシア軍はブルーコスモス思想が根強く、機会を伺っていた事に気が付けなかった。

    案内された部屋に入ると、なにか違和感を感じた。どこか落ち着かない気がしたが、緊張感から疲れが出たのかもしれないと早めに休む事にした。その判断が後の失敗だった事に、キラは気が付かなかった。


    「⋯⋯ん。あ、れ?」
    部屋で眠っていたと思ったのだが、ここは何処だろうか?

    椅子に座らされ、両手首と両脚は何かに拘束されているのか動けない。
    つーっと背筋に冷や汗が流れる。あの時の嫌な予感をもっと警戒するべきだった。

    「お目覚めかな?ヤマト准将」
    その声はユーラシア軍のトップと言われた人物の物だ。
    「これは一体⋯⋯」
    「まさか本当に貴方が単身で来てくれるとは思いもよりませんでしたよ。我々を嘲笑っていたのですかね?1人でも何かあってもどうとでも出来ると」
    「⋯⋯僕をどうするおつもりですか?」
    「君はファウンデーションで洗脳を受けたと言っていたね。なら、今度は我々の技術で洗脳されて欲しいと思ったんですよ。君の力は脅威だ。だが、味方ならばとても心強い」

    ドクドクと心臓が音を立てる。ファウンデーションで受けた洗脳は一時的な物だが、明らかに彼らがキラに施そうとしているのはそんな生易しいものでは無いのだろう。

    嫌な笑みを浮かべた男の手がキラの髪を掴む。
    「コンパスは我々にとって邪魔な存在だ。だが君達の力は強力過ぎる。なら、仲間同士でやり合ってくれたら我々は助かるんだよ。特に君は最高のコーディネーターですからね?」

    ドクンと大きく心臓が鳴る。
    はっはっと息が上手く出来ない。

    「⋯⋯な、ぜ、それを⋯⋯」
    「君の出生の事かな?ブルーコスモス内で君の事を知らぬ者は居ない。本来ならとっくの昔に死んでいると思って居たのだがね。どこに隠れていたのか、こんな所で会えるとは思いもよらなかったよ。キラ・ヤマト。いや、キラ・ヒビキ」

    男の言葉を聞いてキラの意識は闇に消えた。


    「⋯⋯遅い! 本当にキラさんは帰ってくるんだよな!?」
    ミレニアム艦内でシンはイライラとしていた。
    キラが単身ユーラシア軍に行って一日が経った。向こうからも翌日には返すと言われていたのに、キラから連絡が来ない。
    皆キラの身に何かあったのかと心配していた。
    「やっぱり俺ユーラシアに!」
    痺れを切らしてデスティニーで乗り込もうとした矢先だった。

    ドォンと何か爆発音がミレニアムに襲ってきた。すぐさまコンディションレッドが発令され、キラ不在の中シン達がMSを発進させる。

    「なんなんだよ! 一体!」
    発進すると1機のユーラシア軍の機体がミレニアムに照準を合わせていた。
    「させるか!」
    デスティニーで攻撃するも、その機体は難なく避ける。
    「⋯⋯なんだ?」
    酷い違和感。この動きを俺は知ってる?でも、どこで?

    アンノウンの機体は素早く的確に、シン達コンパス陣営の武装を剥いでいく。その動きはまるで。
    「そんな、まさか!」
    そんな事信じたくない。でも、その動きは正にあの人の動きだった。

    「キラさん!」
    どうにか通信回線を開けないか試みるも全く反応は返らない。
    「くそっ!」
    『坊主! まさかあれに乗ってるのは』
    「おっさんも感じてんだろ!? あれに乗ってるのはキラさんだ!」
    アカツキに乗るムウは息を呑む。ムウもキラの気配を感じる事が出来る唯一の人間だ。だから、あの機体に乗っているのがキラなのは分かった。だがなぜキラがこちらへ攻撃をしてくるのかが分からない。やはり、ユーラシアで何かあったのだろう。1人で行かすべきでは無かったのだ。

    『とにかく止めるぞ! 坊主!』
    「分かってますよ! でも落とさないで下さいね!」
    『努力はするさ! だが相手がキラなら俺達も落とされかねん!』
    「何言ってんだよ! いくらキラさんとはいえ、機体性能が違いすぎる! 俺がやる!」
    必死の攻防で機体のコックピットに亀裂を入れる事が出来、キラの姿が見えた。
    シンはムウにキラを抑えるように頼み、デスティニーのコックピットからキラに手を伸ばす。

    「キラさん!」
    必死に声を掛けるも、キラから反応が返ってくる事は無い。シンを見るその目はとても冷たく感じた。
    なおもキラはシンを倒そうとMSを動かすも、背後に衝撃を受けて沈黙する。

    『シン! 早くキラを!』
    キラを背後から撃ったのはアスランだった。
    墜落したMSから意識を失ったキラを助け出しデスティニーに乗せてミレニアムに帰還した。

    直ぐにキラを拘束し、執務室へ押し込む。
    目を覚ましたキラは無言でシンを冷たい目で見上げる。普段のキラとのあまりの違いに、シンはもちろんだが、アスランもムウも衝撃を受けた。
    暴れるキラを薬で眠らせ検査をした結果、洗脳を受けていると言われた。
    「なんだよ! それは! やっぱりアイツら、初めからこうするつもりで!」
    「ハッキリ言って状況は最悪だな。このままだとキラが壊れる」
    「え?」
    「もしキラが俺達に攻撃をしたと知ったら、どうなると思う?」
    「あ⋯⋯」

    キラは守りたい人達の為に戦ってきた。それなのに、その守りたい人達を攻撃した自分を許さないだろう。それによってキラは自身を殺しかねない。

    キラが壊れる。そんな事、一番あってはならない事だ。
    ユーラシア軍を信じて、単身向かったキラの思いを踏みにじられて、洗脳を受けて帰るべき場所を攻撃して、追い詰められた先が精神崩壊等とそんな事。

    だが、このまま洗脳状態にしておく訳にもいかないのも事実。
    苦渋の決断でどうにかキラの洗脳を解くことは出来た。だが、ムウの懸念した通り、キラはシン達を攻撃した事を酷く嘆いた。どうにか落ち着かせようとしたシンの言葉はキラに届かなかった。

    「キラさん」
    ミレニアムにキラは居た。ぼんやりとしたらその目は誰も映ることは無い。
    キラは壊れてしまった。ずっとひび割れたまま動いていたその心は、修復不可能な程粉々に砕け散った。もうキラは戦えない。それどころか1人で歩く事も、食事をとる事も出来なくなった。
    シンはキラの世話をやると申し出た。他の誰かにキラを任せたくなかった。
    「⋯⋯キラさん、俺が貴方を守ります。だから、もう、戦わなくて、いいんです」
    ずっと戦って来た貴方を、こんな形で戦いの中から出したかった訳じゃない。
    あの時の後悔はずっとシンの中にある。1人で行かせなければ、キラは隣で笑ってくれていただろうかと思わずに居られない。

    ボロボロとシンの目から涙が零れ落ちる。
    優しいこの人に世界は残酷だった。
    この人は暖かな世界にいて欲しかったのに。もうキラの居場所はここしかない。だから、シンはキラの傍に居ることを選んだ。

    「好きです。キラさん」
    返事が返ってくる事はないと分かっていても、言葉を送りたかった。



    性癖パネル④洗脳(その後精神崩壊)自由後のシンキラ(さいがさんリクエストありがとうございます!)
    思いっきり悲恋になりました。ごめんなさい。無駄に長くなった。でも洗脳後の精神崩壊は堪らなく癖なのです⋯⋯
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     「そういう時は深呼吸だ。道を遡って探してみような」
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    「あっ!ありましたー!!」
     いち兄から貰ったハンカチを無事見つけ出し、安堵からかうえええと一層泣き始める五虎退に、鶴丸は少し呆れたような顔をして、「見つかったんだから泣くこたないだろう」と呟く。そしてその白い袂に片手を突っ込み、何かを探し始めた。
    「仕方ない、鶴さんのとっときだ」
     す、と引き出された手で掲げられたのは、セロハンで包まれたまるい飴玉だった。五虎退はそれに目を取られ、一瞬涙が止まる。 2560