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    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せられるものは書けません)のんびりまったり上げたりしてます。

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    結月(ゆづき)

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    sn誕生日おめでとう🎉

    キキョウのお土産キキョウのお土産


    9月1日はシンの誕生日だ。
    ちゃんと忘れないようにしっかりカレンダーに印をした。していたはずだった。それなのに。
    「……どうしよう」
    僕はやってしまった。最近の忙しさにかまけて、プレゼントを用意し忘れていた。
    シンの誕生日まで数時間しかないのに、どうしようと一人自室で思い悩んでいた。
    そのタイミングで自室に来訪者が来て、ドキッと身体が跳ねた。
    「……隊長。ルナマリアです。失礼します」
    「え、う、うん。どうぞ。ルナマリア」
    どうにか笑顔を浮かべてルナマリアを迎えると、じっとルナマリアが顔を見て来て冷や汗が流れる。
    「隊長……どうかしましたか?」
    「え!? な、なんでもないよ??」
    「えー、そうですか? うーん」
    感の鋭いルナマリアは何か言いたげな顔をしていた。
    「そ、それよりも、どうしたの?」
    どうにか誤魔化そうとしたのに、次のルナマリアの発言で言葉に詰まってしまった。
    「シンの誕生日。隊長は何かプレゼント用意しました?」
    「っ!?」
    「……なるほど。まだ用意出来てないと……」
    「うっ、そ、その……」
    「……悩んでたんですか? 何を上げたらいいかって」
    「う、うん……」
    ルナマリアの言う通り、シンに何をあげたら良いかずっと悩んでいた。
    プログラミングをしている時も、シンへのプレゼントを考えていることが多く、エラー音を鳴らした事も数回あった。おそらくルナマリアはその時のキラを見ていたのだろう。
    「……あの時から変だなぁとは思ってましたけど、そこまで思い悩んでたんですね……」
    「……シンに、喜んで欲しいって思って……そうしたら、何を上げたらいいのか、分からなくなっちゃって……」
    「なるほど……。隊長、私から提案なんですけど、どうですか?」
    「え?」
    「多分、これならシンもすっごく喜ぶと思います」
    ニコニコと微笑むルナマリアが救世主に見えた。
    シンとは同期で、共に過ごしてきた時間も長いルナマリアが言うのだから間違いは無いだろう。
    「えーとですね……」
    ヒソヒソと内緒話をする様に、耳元で小さな声で提案して来たルナマリアに、不安が襲ってきた、
    「……それ、本当に? シン、喜んでくれるかな?」
    「絶対喜びます! だから隊長も準備しましょう!」
    「え、う、うん」
    半ば強制的にルナマリアの提案に乗る事になったが、果たしてシンは喜んでくれるのか少し心配だった。

    ***

    「シン、誕生日おめでとう」
    「おめでとう!」
    「ありがとうございます!」
    シンの誕生日当日。
    シンはミレニアムのクルー達からの祝いの言葉を、嬉しそうにけど少し恥ずかしそうにハニカミながら礼を言う。
    「シン! 誕生日おめでとう! 私からはこれよ」
    ルナマリアがシンに差し出した物はトリィの色違いのペットロボだったからシンは驚いた。
    「隊長と同じトリィの色違い!? なんでルナがこんなの!」
    「あら、だってシンが言ってたじゃない。隊長と同じくトリィを連れたいって。総裁が羨ましいって言ってたじゃない」
    「そ、それは!」
    慌てて違うと言いたかったが、キラが作ったブルーを貰えたラクスが羨ましいと思ったのは事実だ。
    「けどごめんね。これは隊長が作った訳じゃないの」
    「……じゃあ誰が……」
    「そんなの、生みの親であるアスランよ」
    「は?」
    トリィの製作者はアスランで、ブルーを作る際にキラがアスランに色々教えて貰いながらブルーを作ったと聞いたルナマリアが、あの手この手を使ってどうにかメイリンを介してアスランに、赤を主体としたトリィ3号機の作製を頼んでいたのだ。
    「それに、私からだけのプレゼントじゃないのよね」
    「へ?」
    「話は隊長がしてくれると思うわよ」
    そう言ってルナマリアはウィンクをしてヒラヒラを手を振り去って行った。
    「……なんなんだよ、ルナのやつ……まぁキラさんの所行くか」
    誰よりもキラから誕生日祝いの言葉を聞きたかった為、急いでキラの自室へ向かう。
    「隊長! シンです!」
    名目上は報告の為の訪問だが、真の目的は違う。
    「どうぞ。シン、お誕生日おめでとう」
    「ありがとうございます!」
    やはりキラから祝いの言葉を言って貰えるだけで、嬉しさが込み上げてくる。
    「えーと、ルナマリアから聞いたとは思うんだけど……」
    「あ、はい。ルナからこれを貰って、それで」
    「うん。とりあえず起動させてみて?」
    「はい」
    ペットロボ鳥を起動させると、ピピッと小鳥の鳴き声が聞こえた。
    「この子の名前、ピピって言うんだ。鳴き声がピピだからそうしたんだけど、嫌だったら変えるから言ってね?」
    「いえ! 可愛い名前ですね!」
    キラが名付けたならどんな名前でも可愛いと感じる。
    「えと、シンのプレゼントの為に、ピピには特殊な設定を取り付けたんだけど……」
    言葉を切ったキラに思わず首を傾げた。
    「キラさん? どうしかしました?」
    「……」
    『ピピッ! “シン、大好き”』
    いきなりピピが鳴いたと思ったら、次に聞こえた声に目を大きく見開いた。
    「え!? この声、キラさん!?」
    「うぅ、これ、恥ずかしいね……」
    機械音としての声ではなく、紛れもないキラの生声で、大好きなんて言われて嬉しくないわけが無い。
    「嬉しいです! 沢山聞きますね! けど、今はちゃんとキラさんの口から聞きたいんですけど?」
    「……シン、大好きだよ」
    「俺も、キラさんの事、大好きです! 本当に嬉しいです! ありがとうございます!」
    キラから大好きと言って貰えて、最高の誕生日になった。
    ピピに設定されたシンへの言葉は複数あり、それを聞いたシンがキラの部屋へ突撃訪問したのだった。


    『シン、大好き』『シン、お誕生日おめでとう』『これからもよろしくね』『頼りにしてるから』
    その言葉はシンの活力になったのは言うまでもない。
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