主従と恋仲「江宗主、貴方にこんな事をしたくなかったんだけどね」
「はん、ならしなければよろしかろう」
ばちばちと二人の宗主の間で、火花がはじけた。
実際、江晩吟の紫電がばちばちと輝いているのだが。
「何かあったのか?」
「んー…」
その二人に挟まれながら、藍思追の肩に顎を乗せてもたれかかっている魏無羨に藍景儀が声をかける。
「俺らも途中で来たから解らないんだけど、どうやら江澄が言霊使わないんだとか…そんなんだよな?」
「え、ええ…。言霊は主にとってはかなり屈辱的なモノなのですけど、沢蕪君は使ってほしいみたいで」
「えーなんで?思追だって、俺に言霊使われるの嫌だろ?」
「嫌だけど、それは景義の意志証明だから」
外野の三人は、当事者たちを見守る。
8227