福音の鐘は俺が鳴らしてやろう インターホンが鳴り、手の離せない家族の代わりに玄関を開けると御影玲王が立っていた。いきなり斬鉄が出てくるとは思っていなかったのか、一瞬驚いた表情を見せてから気さくに、よう、と玲王は手を挙げた。見間違いかと思い眼鏡を外して、再びかけ直す。レンズ越しに見えたのはやはりどこからどうみても御影玲王だった。見慣れた青い監獄の練習着ではなく、大人っぽい私服を身に纏う玲王は斬鉄の行動に笑う。笑顔は見慣れたものだった。
「眼鏡外したって変わらねえっつーの。お前、伊達眼鏡だろ」
「それもそうか」
玲王を玄関に迎え入れる。玲王はお邪魔します、と行儀よく挨拶をした。
「どうして俺の家がわかったんだ。教えたことないだろう」
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