お疲れのノイ 仕方がない事だと分かっている。ノイマンは軍人だ。不測の事態には休みだとか勤務時間だとか、そんな事は気にせず業務に当たらなければならない。例えそれが久しぶりの恋人と会う日であっても。
工場地帯で爆発事故が発生したと連絡があったのが夕方の話だ。通常ならこういった事故処理は消防や警察の仕事であって軍が出動するような事ではない。ただ今回は場所が悪かった。工場が林立した一帯に火の手が広がっていること、近くに軍関係の施設があり火薬等に引火する恐れがあることを重く受け止めた結果、軍としても応援を出すとの通達がなされた。その場に居合わせたノイマンも対応すべく、輸送ヘリの操縦桿を握り現場へ向かったのだった。
状況が落ち着き、後続の部隊と交代しようやくオロファトまで戻ってきた時にはとっくに日付が変わっていた。本来ならさっさと帰宅してゆっくり休むべきなのだが、どうにも気力が湧かずソファに座り込んだ。大して座り心地のよくないソファに体を預けて、手にした端末に来ているメッセージを確認する。
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