逆転の証人〜証人召喚〜
ミツルギ「現場にいた人物を証人として召喚したい。」
サイバンチョ「いいでしょう。その人物を入廷させてください。」
……
サイバンチョ「き、君は……!」
ミツルギ「証人、名前と職業を。」
ナルホド「成歩堂 龍一です。弁護士をしています。」
サイバンチョ「よく知っていますとも。成歩堂くんが証言をするのですか!」
ナルホド「ええ、たまたま現場で被告人の姿を見ていましたので。
それにしても、この席に立つのは久しぶりだなぁ。」
サイバンチョ「懐かしいですな。あれは……いつのことでしたっけ。」
ミツルギ「……成歩堂が大学生だった頃……。美柳ちなみの裁判のときではないでしょうか。」
『待った!』
ナルホド「お、おまえ!なんで知ってるんだよ!?」
ミツルギ「以前、葉桜院あやめの審理にあたり記録を調べたのだ。あの裁判の様子が、ビデオに残されていた。」
ナルホド「ビデオ……録画されていたのか……。」
ミツルギ「そうだ。そしてそこにははっきりと映っていたのだ……
……キミがムチャクチャな証言で審理を妨げ、挙げく証拠品を抹消したその姿がな!」
ナルホド「ぐはぁ!
……わ、若気の至りってヤツだよ。」
サイバンチョ「もういい大人なんですから、今度はキチンと証言してください。」
ナルホド「……ハイ。」
👨⚖️カンッ!
**********
〜尋問中〜
ナルホド「ぼくはしっかり見ていましたよ。被告人が、凶器の灰皿を持って部屋からでてくるところをね!」
サイバンチョ「な、なんですって!?
ナルホド「これは、決定的な証言でしょう。」
サイバンチョ「ううむ……たしかにそのようです。
……しかし、君がそんなことを言っていいのですかな?」
ナルホド「え?」
サイバンチョ「このままでは、被告人が有罪になってしまいますぞ。」
ナルホド「はい。……それが、なにか?」
サイバンチョ「……失望しました。君はそれでも弁護士ですか!」
ナルホド「いやいや!ぼくは今日、証人としてココに来ているんです!被告人の弁護はしませんよ!」
サイバンチョ「あ、そうでした。これは失敬。」
**********
〜第2の証人へ〜
サイバンチョ「では、弁護側の証人より証言を聞きましょうか。
いいですね、御剣検事。」
ミツルギ(証拠品だけでは立証しきれない以上、証言から状況を聞き出すしかあるまい。ヤツが用意したというのは気になるが……)
ミツルギ「……良いでしょう、次の証人を。」
ナルホド「じゃあ、ぼくはこれで。」
……。(ハケるナルホド)
…………。(スッとミツルギの横、検事席に立つナルホド)
『待った!』
ミツルギ「お、おい!キサマ、何故こっちに来る!?」
ナルホド「いいだろ、別に。空いてるし。」
ミツルギ「いいわけがないだろう!傍聴席に戻りたまえ!」
ナルホド「また証言が必要になるかもしれないし、ココにいた方が早いだろ。
あ、推理に詰まったら一緒に考えてみるくらいはできるぞ。」
ミツルギ「いらん!」
サイバンチョ「ほっほっほ。ふたりが並んで検事席にいるというのも不思議な感じですな。」
ミツルギ「裁判長!この非常識な男を退廷させていただきたい!」
『待った!』
ナルホド「ひどいだろ御剣!ぼくは真相が知りたいだけだ!」
『異議あり!』
ミツルギ「ならば傍聴席で聞いていたまえ!邪魔だ!」
👨⚖️カンッ!
サイバンチョ「ケンカはそこまでです。スムーズな進行のためにも、成歩堂くんには検事席にいてもらいましょう。」
ミツルギ「グ、グヌウゥ……。
……キサマ、邪魔だけはするなよ。」
ナルホド「するわけないだろ。……たぶん。」