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    ##類司

    早起きは三文の幸せ◎早起きは三文の幸せ


    「...む。また先を越されたか」


    新学期になり、類と同じクラスになってから数日が経つ。
    主に類への監視の目を光らせるべく風紀委員になったりと、色々と新たな発見を感じている今日この頃だが、これもまた、去年までは感じることもなかった感情だった。

    それは、自分のクラスに向かうと類がいるということ。
    同じクラスなのだから当たり前なのだが...オレにとって類はその...こ、恋人...だからな...、それゆえにこの当たり前の、なんでもないようなことが。教室に行けば、無条件に類と顔を合わせられる、という現実を幸せと感じてしまうのだ。

    もう一つある。
    これまでの類との付き合いで、あいつは朝がめっぽう弱いということを思い知らされてきた。逆にオレは朝は強いぞ!クラスでは大体一番乗りで教室に入る!...状況にもよるが。
    だからいつも、類は学校へギリギリで登校しているものだと思っていた。まあ、実験の準備やらなんやらを仕込むために早めに学校に行く、ということは度々あったようだが...それはまた別としてだな。

    類の席は廊下側の後ろの方の席だから、こうして教室に向かって歩いていると、机に座っている類の背中が見えてくるのだ。
    ここのところ、毎日。まるで、オレを出迎えるかのように。

    オレより先に...類がいる、のだ。


    「おはよう、類」
    「!おはよう、司くん!」

    教室に入り、その背中に声をかけるとぱぁっと頬を綻ばせた類が振り向く。ああ、ただの「おはよう」のはずなのに。
    そんなに嬉しそうで、可愛らしい笑みを向けられるとむずがゆくなってしまうではないか。

    教室を見渡すと、類以外のクラスメイトはいなかった。
    やはり、類が一番乗りだったようだ。

    ふむ...だが、良いことかもしれないな。
    早寝をしているかは分からんが、朝早く起きて余裕を持って学校に登校する...風紀委員としては評価できるポイントだ。類も、最高学年らしい自覚がついてきたということか...。はは、なんだか、自分の事のように嬉しくなってしまうな。

    「類、オレはお前を見くびっていたかもしれん。てっきりいつも始業時間ギリギリに登校しているものだと思っていたのだが、最近は毎日オレより早いではないか。早起きは三文の徳と言うし、いい心がけだぞ」
    「ふふ...早起きは三文の徳、ねぇ...。まさに、そういうことかもしれないね。司くん、どうして僕が早起きして、司くんより先に来ているか...わかるかい?」
    「む?何か深い理由でもあるのか?」
    「ああ。司くんは僕が単純に早起きをするようになった...と思っているかもしれないけれど、司くんと同じクラスになったがゆえの理由、なんだよ」

    オレと同じクラスになったから、早起きするようになった...。つまり、オレと違うクラスのままであれば類は早起きを...少なくともオレより早く来ようとは思わなかったということか。

    類の口ぶりから、オレより早く来ることに意味がありそうだと思った。
    ううむ...オレが風紀委員になったから、実験用の仕込みをしているのをオレにばれないようにするために、とかか...?だがそれならばオレも気付かないようなところに仕込みの準備をすればいいだけだ。正直、時間は関係ないような気がした。オレとて、朝から校内全体をパトロールしているわけではないからな...。

    それが理由でないとしたら、至極単純な理由しかないと思った。
    それは...オレ自身もそう思ったからだ。
    「おはよう」と声をかけた時の類のあの嬉しそうな表情を思い返す。

    つまり、そういうことなのだ。
    体がぶわ、と熱くなった気がした。


    「そ...それは、オレに「おはよう」と言われたいから、か...?」

    少しの恥ずかしさを含んだそれは、思いのほか小声になってしまった。だが、まっすぐ類を見据えて、言う。
    ふ、と柔らかく微笑む類と視線が交わった。

    「...ああ。そうだよ。司くんと同じクラスになって、クラスの皆におはようと声をかける司くんを見て思ったんだ。司くんに、いの一番で「おはよう」って言われたい。朝教室に来て、一番最初に姿を見るのも、声を聞くのも司くんでありたいとね。司くんの登校時間は大体把握していたから、司くんより早く来れば、と思ったんだ」

    類はそう微笑みを崩さぬまま言ってのけた。

    そんなもの、そんなこと...!まるで、オレへの独占欲しかないではないか...!!
    類の、オレへの「好き」を感じ、体がただただ熱い。胸の奥からじわ、と何かが溢れ出すこの、感触。

    嬉しい。
    類がそう思ってくれたことが、何より嬉しかった。それはオレも同じだ。

    類が先に教室にいるから、オレも必然的に類にいの一番で「おはよう」と声をかけることになるし、教室に入って一番最初に見るのは類の姿だ。惚れた弱みというやつなのだろうな。特に深い理由なんてない。それだけで、嬉しいのだ。

    オレも類も、それほどに、お互いを好いているのだ。

    「そうか...。それなら、その作戦は成功しているようだな。それに、オレも、気持ちは分かる....だから、その...嬉しいぞ。オレだって、一番最初に類に「おはよう」と声をかけられるのが嬉しい。朝一番に、お前のあの笑顔を見れて、「好きだな」と改めて思ったんだ」
    「ふふ。どうやら僕たち、同じようなことを感じていたんだね。よかった、こんなやり取り、司くんと二人きりの今しか出来ないだろうし...やはり早起きは三文の徳、なんだねえ」
    「は!しまった、嬉しくてナチュラルに風紀的に問題がありそうな会話をしてしまったが...誰も聞いていないよな...?」
    「まあまだ誰も教室に入ってこないし、大丈夫じゃないかな?」
    「そ、そのようだな...」
    「ねえ司くん、せっかくまだ二人きりなんだし、キスしないかい?お互いのこの「嬉しい」という気持ちを刻んでおきたいのだけれど」
    「な!?だだっ、ダメだダメだっ!風紀委員として、朝っぱらからキスなどと...!いくら二人きりとはいえだな...!それに、キスの最中に誰かきたら気まずいだろう!」
    「ええ~?司くんが泊まりにきてそのまま一晩過ごした日の翌朝は、キスに応えてくれるじゃないか。それなのにどうして...よよよ...」
    「ロケーションが違うからに決まっているだろう!!あぁもう、分かった分かった!人目につかないところでだったら、やってやる!」
    「え!いいのかい!」
    「お前が騒ぐからなのと、そ、その...「嬉しい」を刻む、というのは...悪くはないと思ったんだ!」
    「ふふ、そうこなくては。それじゃあ、トイレにでも行こうか」
    「人が寄り付かなさそうなところで頼むぞ...」

    類とともに教室を出ようとすると、丁度クラスメイトの一人が教室に入ろうとしたところに出くわす。
    危なかった。こいつがもう少し早かったら、キスがどうの、という会話が聞かれていたところだった。

    だが...本当に、悪くはないと思ったのだ。
    「好き」や「嬉しい」、「幸せ」を伝え、刻むキスをすることが。類に、触れたいと思ってしまうのが。
    早起きしたから、キスをする時間だってあるんだな。

    早起きは三文の徳…いや、三文では、足りないかもしれないな。
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