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    @o_juju_Pd3fJ

    ゆちょのえっちなやつとか小説とか落書きとかラフとか置く場所
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    終わりです〜🥳応援たくさんありがとうございました🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

    【完結】転生オメガバゆちょ14朝起きて、子供達の朝ごはんと、保育園用の弁当を作り、長男を見送ったあと下二人を保育園へと送る。帰宅して末娘を見ながら掃除や洗濯、朝ごはんの片付けをして病院へと出かける。昼食はいつも悠仁の隣で食べていた。話しかけるといいと言われたので、昼飯のメニューや子供達のことなどを話して聞かせた。夕方、帰りがけに買い物と保育園に子供達を迎えに行き、長男が帰ってくるまで夕飯の支度をする。やんちゃ盛りの間二人を叱りながらそんな毎日をこなしていた。またに壊相や血塗がお迎えを手伝ってくれたり、九十九が夕飯を差し入れてくれたりした。
    子供達は時折寂しくてぐずったりするが、脹相は根気強く励まし続けた。
    そうしている間にあっという間に数週間が過ぎた。

    「今日はな小学校で野外学習があるそうなんだ。弁当だったからついでに自分のも作ってきたんだ。今はまだ悠仁の弁当箱が一番大きいが、そのうち上三人も同じくらいのを買わないといけないだろうな。この子は……」

    脹相は胸に抱いた末娘を見やる。親指を咥えて上機嫌だ。

    「女の子だからお前たちよりは食べないだろうか…………いや、食べそうだな……将来彼氏を連れてきたらどうする悠仁?俺は結婚式なら必ず泣く自信があるぞ」

    脹相は娘をベビーベッドに寝かせるが、もうハイハイを始めていたのでベッドの柵の中でもコロコロと元気に動き回っている。

    「つかまり立ちはしてもいいが、柵を越えようとするなよ、お父さんの真似をしたらダメだからな」

    いつかの悠仁の塀越えを思い出し、娘に言い聞かせる。娘は分からないながら母親の声を聞いて太陽のように微笑んだ。

    「笑顔と返事だけはいい所も父親に似たのか?俺が産んだのか、本当に?」
    「あうあぅ」
    「お母さんはこれからお父さんとお弁当を食べるんだ、毎日デートだぞ、お前が居るがな」
    「れ〜」
    「デートだな。今日はお喋りだな」
    「とーと」
    「お父さんは必ず起きるさ、お前をまた抱っこしてくれる……俺は一度諦めかけたが、今はそんなこと考えてないんだ。むしろ悠仁は必ず起きてくれると思っている。あいつは諦めが悪いからな。折れない男なんだ。そういう所が好きだ。」
    「と、と」
    「お前もそうか?男を見る目があるな。……お前たちが産まれてきてくれて良かった。悠仁は俺をお兄ちゃんにしてくれたし、母親にもしてくれた」
    「と!」
    「……脹相……」

    娘が腕を振ったのと背後のベッドから声がしたのは同時だった。脹相は目を見開いて振り向くと悠仁の手が動いている。駆け寄って名を呼ぶと、きちんと目を開けて脹相を見ていた。

    「おれ……」
    「悠仁、分かるか、今先生を呼ぶからな」

    脹相はナースコールを押し、看護師が駆け付けるまでの間、涙を零しながら悠仁の手を握っていた。






    「お父さん!」

    長男が駆け寄ってベッドの上の父親へと抱き着いた。下の子たちも続いて駆け寄って言った。悠仁は嬉しそうに笑いながら子供達を構い倒す。
    意識を取り戻した悠仁の身体は筋力が落ち、骨折もしていたのでもう少しだけ経過入院することになった。右足は無理させられないものの、もうすぐ退院出来る。しばらくはリハビリを行うことになるが、勤めていた会社は完全復帰するまで時短で在宅勤務となるよう、七海が配慮してくれた。

    「世話になった人達呼んで快気祝いのパーティーしようぜ」
    「無理するなよ」
    「無問題!」

    退院の日、悠仁は我が家に帰ると寝室で叔父と通話をしていた。今日は平日で上の子達は夕方まで帰らない。末っ子もリビングのゲージの中で元気にハイハイしている。

    「うん、そう、今日退院してきた……ああ?廃車になったってよ……要らねえって自分で買うし!いや外車でしょそれ……左ハンドルは嫌だ……あ、ほらすぐそうやってお金でなんとかしようとするじゃん……うん……いいよ、たまに帰ってきたら?……うん、……あのさ……ありがとう……色々……叔父さんが生きててくれて嬉しいよ……ああ、確かに死にかけたんは俺だけどさ……うん、はいはい、体気を付けてね、はい、はーいハイハイ切ります〜」

    悠仁がスマホの通話終了をタップすると、脹相は畳んだ洗濯物を抱えて部屋へ入ってくる。

    「珍しい長電話だな」
    「う〜ん、なんかね……」

    悠仁はモジモジと言いよどみ、頬を搔く。生死の境をさ迷えば、身近な人に礼も言いたくなるものか……と脹相は寝室から続くウォークインクローゼットに洗濯物を仕舞いに行った。

    「今夜は悠仁の好きなものを作るから、何かリクエストがあれば教えてくれ」

    脹相がクローゼットから話しかけるが、悠仁の返事がない。聞こえないのか、クローゼットを出たらもう一度聞こうと思い振り返ると、その入り口に悠仁が立っていた。

    「驚いた……どうした?」
    「脹相さ……俺の右肩砕いた?」
    「あ…………」

    脹相は一瞬呼吸の仕方を忘れ、狭いクローゼットの中で悠仁を凝視する。

    「あ、やっぱり?丁度こんくらい狭かったよな」
    「悠仁……お前……」
    「いや、でも夢?みたいな感じだったよ、自分だけど自分じゃないんだ、でもリアルな映画みたいなさ。叔父さんはあれだろ、一番ヤバかったやつ。脹相はさ……」

    悠仁はそこまで話して、泣きそうな顔になり、脹相を優しく抱き寄せた。脹相の肩口が濡れている。

    「ありがとう、今俺と一緒になってくれて」
    「悠仁……いいんだ……」
    「うん、もう絶対離したくないや……」

    脹相も悠仁の背中に腕を回し、こちらこそ離す気はないと伝える。

    「夢みたないな感じでずっと何かを見てたんだけど、殆ど忘れたな……最後にさ、脹相とあの子が話してる声が聞こえて、戻らないとって思ったんだよ」
    「ちゃんと戻ってくると信じていたさ」
    「うん、俺もう独りじゃないしな」

    悠仁は脹相の肩から顔を上げるといつもの笑顔で笑っていた。脹相も微笑んで悠仁の頬を、その存在を確かめるように触れる。

    「そうだ悠仁、忘れ物があったんだぞ」
    「え?いつ」
    「事故の日、俺に行ってきますのキスをしなかった」
    「あ?え?あ〜そうかも……ごめんな……ただいまのキスで許してよ」
    「仕方ないな、ほら」

    脹相がくいっと顔を上げる。二人は、ただいま、おかえりと言葉を交わしてキスをした。

    前世の記憶が蘇ったからと言って、二人が何か劇的に変わるわけではなかった。あの後も二人の子供は増えて、大きくなって、毎日は穏やかだが時に忙しなく、喧嘩もしたし病気も怪我もあった。そうやって大きなことも小さなことも飲み込んで魂は巡っていく。また一緒になれる日を目指して。

    END
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