教会と砂時計。「……この中に、悪魔憑きが居ます。」
鐘が鳴っている。教祖様のお声は全員が聴き取れたようで、みな戸惑いの顔をしている。談話室──という名の雑談スペース──には、教祖様と私を含め五人が居た。見慣れた顔触れである。
「……それは…どういう、意味でしょうか。」
口を開いたのは、聖女様だった。先程まで和気藹々としていた室内は、静寂と困惑で満たされていた。恐らく全員が同じ疑問を持っていたと思う。
「……そのままの意味ですよ。先程天啓が下ったのです…この五人の中の一人に、悪魔が憑いていると。主は、我々人類のみでの解決を命じられました。」
…教祖様が、天啓を聞いたと言うのなら間違いは無い。今述べられたことは全て事実なのだ。
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