教会と砂時計。「……この中に、悪魔憑きが居ます。」
「…………えっ?」
明転した景色は、変わって教祖様を映し出す。なんで?私は、死んだはずじゃ……?驚いていると、聖女が言う。
「……それは…どういう、意味でしょうか。」
どこかで聞いたような台詞。いや、確かに聞いたのだ、一度。私が死ぬ前、確かに……。私の記憶の走馬灯なのか?それにしては実体を伴っている。私の記憶通りなら、このあと……。
「……そのままの意味ですよ。先程天啓が下ったのです…。」
やはり。間違いない。私が、教祖様のお言葉を忘れる訳がないのだから。
――時間が、巻き戻っている。
あるいは先程まで予知夢を見ていたか、どちらかだ。予知夢にしては些か正確すぎるが、私は一度死んだのだから、現実味がどうのなんて気にしていられない。
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