「このタバコ食ったら100円やるよ!」
ヤクザにそう言われ、少年は嬉々として受け取ったタバコを口に含もうとした。
「マジっすか!?いただきま…「何やってんだ!バカ!!」あ?」
しかし、そのタバコは突然現れた青年によって、少年の口に入ることはなかった。
「ちっ、邪魔が入ったな。興醒めだ、じゃーな、デンジ。」
そう言ってヤクザは車を発進させ、去っていってしまった。
「おいっ!なんだテメー、せっかく100円貰えっかもだったのによー」
そう言って腕を掴まれたままのデンジがアキにくってかかる。
しかしアキは、ようやく再会できたデンジが、記憶している姿よりボロボロで、随分と痩せ細っていることに衝撃を受け、デンジの文句は耳に入らなかった。
7020