Valentine*バレンタインなんて…嫌い。
***
私は…フラれたのに…。
こんなもの手渡せる訳もなくて。
大会も近くて当日はスケートの練習で渡せず、そのまま休日の今日に至る。
手元にあったのは手作りチョコレート。
「私…何してるんだろ…」
あまり器用ではないが、それなりにラッピングした手元のチョコレートを見る。
はなやさあやたちは当日にみんなに義理チョコを配っていた。
もちろんハリーにも。
「一緒に渡してもらえば良かったな…」
ビューティーハリーの2階。
午後からは練習があるので、みんなより早めにお昼にして、そのまま帰る準備をしていた。
窓から入る日差しは暖かい。
チョコレートをもう一度見て溜息をひとつ。
鞄に入れようとすると。
「何やそれ。バレンタイン?」
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