愛を待つ【愛を待つ】
ゆーちゃん
運命を信じるだろうか?前世を信じるだろうか?
…罰を信じるだろうか?
罰を与える存在を神というならば、神よ、いったい何時になったら其れは許されるのか。
ただ一言伝えられなかった言葉が今も棘のようにこの胸に残っている。
ー之は、誰への罰なのかー
〝ロシナンテ〟という自分を理解したのはこの世の光を感じた時だった。熱くなる心とは別に冷たくなる身体。耳に届く身を裂く様な砲声と指示を出す兄の声。
駆け巡る記憶はまるでフィルムの様にカシャカシャとおれの脳に焼き付き、止めてくれ!と上げた声は鳴き声に掻き消され、次いで幼い声と温かな手に掬われた。
「起きた!ろしーが起きた!ははうえ!!」
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