彼の宝石 赤葦京治という男はとても美しかった。見た目にしても、中身にしても、どこをとっても美しかった。余計な物が何も無い綺麗な身体付きに、短いながらもふわふわとしていて艶やかな美しい黒髪。キリッとした目の奥にあるのはエメラルドグリーンの透き通った瞳。そして彼の右手には、大きな緑色の宝石がキラキラと光り輝いているのだ。
美しいながらも何も寄せつけないような気高い表情。彼は正しく【宝石】のような男だった。
部活が終わり、練習着から制服に着替える。Tシャツを脱ぐ彼の動作も、シャツに袖を通すそのちょっとした仕草でさえも、どうしようもなく美しい。
もし彼を自分のものにできたなら――。
「……あかーし!帰ろ!」
「うるさいです聞こえているので叫ばないでください木兎さん。」
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