ハイパーベンチレイションベッドの傍らに置かれた簡易的な椅子に座り、カキツバタはベッドで眠るスグリに目を向けた。
スグリの目の下には、少年に似つかわしくない濃い隈。
それはキタカミの里での林間学校を境に日に日に濃くなっていっていた。
どうやらほとんど眠っていないらしく、ふらついてその辺りの人や物にぶつかるのは日常茶飯だったし、その場にしゃがみ込むことも多々だった。
そして今日、とうとうミーティング中に倒れたのだ。
保健室に運び込んだが、どうやら寝ているだけの様子だったため、カキツバタが見守りを名乗り出て、他の部員は部室へ戻らせた。
タロあたりはミーティングをサボりたいだけだと見抜いていただろうが、流石に口には出さなかった。
「------っ!!」
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