夢オチ死ネタ戦火があがり、仲間たちの声や刃同士が重なる音が耳に突き刺さる。
数刻前までいつもの様に遠征に送り出され、任務を遂行していたはずなのに、突然僕達の部隊に管狐から通達されたのは、強制帰還の命と本丸が襲撃されたというものだった。帰還した僕達が見たのは正に地獄のような光景で、倒れ負傷する仲間や遡行軍の残骸、見慣れていた本丸は見るも無惨な姿に変わり果てていた。こちらを見るなり一振の短刀が駆け寄る、既に瀕死の体を引きずりながら彼は僕に言った。
「まだ…主君が中に……!誰か、主君を……ごめ、なさい…僕じゃ………もう………」
その言葉を最後に、この本丸を始まりから見届けてきた短刀は腕の中で砕けた。気付けばそのまま僕は本丸へ向かって走り出していた、誰かの制止の声が聞こえた気がする、その時は何も考えてはいなくて、ただ早く、一刻でも早く彼女を見つけなくては、その一心で脳よりも先に体が動いていた。
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