いちごみるく豊前江は暇を持て余していた。
いや、決して気を抜いているわけではない。わけではないが、流石に2時間の間ただ審神者を待つだけというのは、気も散ろうというものだ。
今日は審神者の近侍として、政府の施設を訪れていた。護衛で付いて来た近侍も、セキュリティの高い政府機関内に於いてはすることもない。会合とやらはまだ終わらないようだった。
(…飽きたな)
豊前江は2時間の間色々な事を試してみた。同じく審神者に付き添って来たであろう他所の本丸の刀剣男士に話しかけてみたり、慌ただしく行き来する政府職員の様子を観察してみたり、窓の外を覗いて雲を何かに例えてみたり。
性格的に苛立ったりするわけではないが、とにかくする事がない。さて次はどうしたものか。そう思って豊前江は壁際の椅子から立ち上がった。
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