W社のスタエイ「そっちはどうなった?」
声をかけながら隣の車両から入ってきたのはベテランの整理要員仲間だろう。歩く度に左足の義足がギィギィと大きな音を立てており、姿を見なくても彼女だとわかる。
「あともう少しですよ。今日は随分素直に行きそうですね?いつもこれくらいだと助かるんですけど……」
「期待しない方が良いな。ここでは何が起きたっておかしくないし……それっ」
そう話しながら、襲い来る肉塊を銛型の武器で軽々と穿つ姿は彼女―エイハブがただ歳を重ねただけの整理要員ではないことを物語っていた。
「それに、最初から期待してなければ今日みたいな雑魚しかいない日に、なんて幸運で良い日だったんだ!って思えて得じゃないか。」
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