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    masasi9991

    @masasi9991

    妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど
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    masasi9991

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    レクセルいちゃいちゃしてるだけ

    ##RMX
    ##レクセル

    大作戦


     その顔を下からじっと見上げると、少し意外そうに目を見開いた。でもなんにも言わない。それじゃちょっと違うんだよな。
     じゃあ次は、もっと顔を近づけてみる。勢い付けすぎて、鼻がぶつかる。……その前にレッドはベッドの上に座ったまんま、後ろにちょっと下がった。
    「なんで逃げるの」
     と聞いたら、今度はフッと鼻で笑った。
     む。
     そうじゃない。なかなか計算通りにいかないな。もっと近づいて……でもまた逃げそうだから、押さえつけとかないと。動けないように、膝に跨って乗った。
     それからさらにぐいっと顔を近づける。ギリギリまで背伸びをする。そしたらレッドは後ろに軽くのけぞった。でももう動けないし、後ろは壁だ。もっとのけぞったら倒れて壁に頭ぶつけちゃう。
     もうちょっと。レッドを追いかけて前のめりに背伸び。いや、近づくだけじゃダメなんだ。
    「何がしたいんだ」
    「あ、喋った」
     と思ったものの口を開けてたのは一瞬で、次の返事は肩をすくめるだけだった。
     全然うまく行かないぞ。次はどうしよ? 考えてる間に前のめりになりすぎて、レッドの胸の上に倒れてしまった。
    「口開きっぱなしだ」
    「んに」
     口の中に人差し指を突っ込まれ、ボクの方が口を開けっ放しにしてたのに気付いた。内側からほっぺたを引っ張られる。違う違う、これじゃない。指をガジガジやって不満を訴えるが通じない。
    「邪魔すんじゃねえよ」
    「レッド暇れしょ」
     なんか指、くすぐったくて声出すの失敗した。別にレプリロイドだから口いじられてたってしゃべるのには問題ないんだけど。
    「ニュース読んでたんだよ」
    「あとで、いいじゃん」
     だってその電子ペーパーはもうベッドの上に放置してある。ボクが部屋に来てすぐに、そこに置いてた気がする。元々そんなに真面目に読んでなかったんじゃないの。
    「じゃ、何するんだ」
    「ううーん」
     それをはっきり言っちゃったら意味がないんだよ。口の中、指咥えたまま考える。よだれ出てきた。なんで? 誤作動かな。
    「そうだ! レッドの中みひぇて!」
    「なんだって?」
    「口の中見せて!」
     言いながら、ボクはレッドの顔を両手で掴んだ。頬の金属質の部分から、柔らかい皮膚の部分を指で伝ってぎゅっとする。さすがのレッドもちょっと口を開いた。というか無理やり開けさせた。
    「変なこと考えてねぇか」
    「別に。単に気になっただけだよ。自分以外の口の中って見たことなかったからさ、観察したい。れ」
     喋ってる途中に変にレッドの指が頬を内側から引っ張るから、やっぱり変な声が出る。仕返しにレッドの口の周りもぐにぐにしてやる!
     観念したのか、やっとレッドはボクの口から指を離した。
    「よく色々なことを思いつくな」
    「にひひ。ほら、あーんして!」
     顔をしかめて鼻で笑うし肩を竦める。一連の動きに合わせてレッドの膝に跨ってるボクまでちょっと揺れる。でもやっと、レッドは少しだけ口を開いた。もっとあーん、って感じに開けさせた方がいいのかな? わかんないな。
     でもとにかくこれじゃ口の中を覗き込むには狭い。
    「あんまり見えないなあ」
     指突っ込んで上の歯をなぞる。レッドはもっと顔をしかめたが、それで少しだけ口が大きく開いた。
     きれいに並んだ歯をいっこいっこ、指の腹でなぞってみる。少し濡れている。ほとんど左右対称だけど、それぞれ微妙に形が違う。つるつるしてる。
    「レッドの口の中、すごく精巧に作られてるんだね」
    「レプリロイドなら誰だってそうさ。そんなの知ってどうする」
    「自分のこと調べるのに、他のレプリのことも知らなきゃ比較できないじゃん」
    「こんな部分まで、かっ」
     歯を触った次に、舌の先をぐにっと押したらレッドも変な声を出した。さっきのボクとおんなじだ。レッドも口の中をいじられると変な声が出るらしい!
    「何しやがる」
     睨まれた。が、口は開けたまんまだ。今ならうまくできそう!
    「へへ。隙あり!」
     レッドが怒って気を取られてるうちに、ボクは素早く顔を近づけた。
     鼻とか歯とかぶつかりそうになる――ならない、手加減した! 手加減? ちょっと違うな。とにかく接触する寸前はそっと、どっちかっていうとまだおっかなびっくりで、その瞬間がやけに長く、一呼吸分ぐらいはあったような錯覚を覚えながら、ボクはレッドにキスをした。
     触れる瞬間がくすぐったかった。触れるかもしれないって瞬間が、肌の上の感覚受容体が急に敏感になってくすぐったかった。触れた後の感じは、けっこう慣れたような気もするんだけど。
     レッドの方はキスの瞬間から軽くフリーズしてた。動力炉が普段と変わらず脈打っているのは、抱きついた胸の上から伝わってくるから大丈夫。もちろんそんなにすっごくびっくりしたってわけじゃないんだろう。でもボクとしてはレッドが動かないことをいいことに、自分からレッドの口の中へ舌を滑り込ませた。
     舌の先が触れてもっとドキドキする。さっき指で触ったとこだ。レッドが変な声出したとこ。多分、そうだと思う……何度も舐めて確かめる。
     ボクからキスをしたし、ボクから舌を入れた! うまくできた!
     身体の真ん中がじんわり熱くなってる。もうとけてしまいそうな感じもする。気付けばレッドの腕が背中に周ってきつく抱き寄せられていて、口の中では舌がからまっている。気付いたらもうだめだ、頭の中までしびれてくらくらした。
     それからかなりゆっくり時間をかけてキスをして……全身熱くなってくたくたになった頃に離れて、ボクは背伸びをやめてレッドの胸に寄りかかった。
     頭がぼんやりする。寝そうとか一瞬思っちゃった。でもそれはもったいない。
    「びっくりした?」
    「ああ」
    「ふふん。大成功だ!」
     ふっ、と頭の上から鼻で笑ったような音が聞こえたが、まあいいや。レッドがボクの作戦にハマったのは間違いない。
    「ねえレッド、キスしてる間ってなんでしゃべんないの?」
    「ああ?」
    「だってさあ、口塞がれてたってレッドは声出せるよね? 発声機ここでしょ」
     上向いて、レッドの喉を人差し指でツンツンとつついた。ほんのちょっとだけくすぐったそうにして、目を細める。
    「そういうときは、そうするもんだ」
    「決まりごとみたいな?」
    「余裕ねぇだろ。お前だっていつも騒がしいのが静になる」
    「ん。あ、そっか! レッドはボクに夢中になってるからしゃべるどころじゃないんだね!」
    「フッ。どうだろうな」
    「だって今言ったのそういうことでしょ」
     レッドは笑って、ボクの頭をぐりぐりして、ごまかそうとしている。つまりそれって図星だったってことのはず!


    【了】
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