寿ぐふたり センチネルのオペ中、ゼータ・プライムを呼びつけた。「センチネルが……」と通信すれば続きも聞かずにやってきて、ドアの開閉も待てない勢いでこちらに近づいてくる彼は、数いる部下のひとりを失うというには絶望の色が濃いようだった。
「容態は」
来るなり損傷したセンチネルの腹を見て、彼の表情が曇る。
「それが」
「痛いから早くしてください! 死んでしまいます!」
彼にどう説明しようかと言葉を選ぶ暇もなく、センチネルの叫び声が部屋を震わせた。
「し、死ぬのか」
「勝手に殺すな!」
歯を食い縛り痛みをこらえるセンチネルは、おおよそ死にそうにない生命力に溢れた声量でゼータ・プライムへ返答した。死んでしまうと言ったのはそちらじゃないか、と頭に疑問符を浮かべる彼が不憫である。センチネルが初めて起動する以前から世話をしている私は奴の騒がしさに慣れきっていて、手を止めることなくオペを続けた。
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