Whose heart is this 甲板に太陽が跳ね返る。鼻腔を擽る生臭い潮の匂いに目を細め、スミスは空を仰ぎ見た。
晴天、快晴、日本晴れ。
最後の単語は最近イサミから教わったものだ。我が国のことながら大それた名前をつけるよな、とイサミは笑っていた。その笑顔があんまり眩しくて、「You are my blue sky」と呟けば、目を真ん丸に見開いたイサミが「Then you're my sunshine」と返してきたので心臓が壊れてしまうかと思った。
思い出しても胸がときめく、甘い苦しみに呻きたくなる。イサミを想って心臓が脈打つ度に、生きている喜びに満たされて、ああ、還ってこられたのだと実感が湧く。
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