女は男で変わるというので 『女は男で変わるというので』
藤襲山にて、選別を無事終えたあと玉鋼を選び手にちょろちょろなにかされて全身の丈を測られて解散してよいことになった。ようやくだ。
くたびれた。七日間もほとんど気を抜けない日々。
飲食も最低限で、とにかくすぐに休みたい。
へろへろと一段一段、階段——山を降りる。
よろめくと、誰かが支えてくれた。
藤の花の匂いが濃くて、人がいるのかいないのかすら曖昧だ。出てきたのは朝方だったのに、もう昼近い。
声が聞こえる。眠い。寝たい。けれど一刻も早く帰って、鱗滝さんや錆兎たちに報告したかった。
また声が聞こえる。なにか、棒のようなものを手渡された。
うっすら、眠気でぼんやりする中、その棒を頼りに歩き始める。
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