愛する資格、愛される資格リーグ部
「自分を指名するとは理解に苦しみます」
「なんでですか?」
「え?」
「わたしアオキさんのこと好きですよ!それがわからないってことですか?」
「そう、ですね。こんなうだつのあがらない草臥れたサラリーマンが、貴女のような若く眩しい将来を背負うパルデアの光に好かれる理由がないんですよ」
「んーと、んーと、こんなションベン臭いガキがジムリーダーと四天王、さらにはリーグの営業と三足の草鞋の非凡サラリーマンと肩を並べようなんてちゃんちゃらおかしい、ってことですかね?」
「いやどこで覚えてくるんですかそんな言葉全然違いますよ」
「えー?」
「自分の手の届かない存在だということです」
「アオキさんでダメなら誰の手が届くんですか?例えば誰ですか?」
「あなたと肩を並べて歩ける人間です」
「だから誰なんですか?」
「……」
「いないじゃないですか!みんな平等ですよ。それならわたしはアオキさんの隣がいいです」
「自分には愛する資格も、愛される資格もないんです」
「そんなこと言って!アオキさんはわたしの事どう思ってますか?なんとも思ってませんか?!」
「なんとも、なんてことはありません。バトルに対する真摯さは大変好ましいと思っています」
「なるほど!他には?!」
「ええと、バトルの時の真剣で吸い込まれるような眼差しも良いなと」
「それでそれで?」
「禁止区域に入り浸る、危険なレイドをやりたがる、厄災ポケモンを解放するなど破天荒でとんでもない胆力の持ち主だと思いますが、それでいて困ってる人間を放っておけない優しさを持ち、自分の話を真剣に聞いてくれる、いつも自分の上にある青空のような、かけがえのない唯一の人だと思います。……………………は?」
「何を言わせるんですか……」
「えへへ……あ、ほら!その気持ちに資格がいるんですか?!」
「こんなうだつのあがらない中年が抱えていい感情ではありません」
「ムキー!アオキさん!もう!」
「ふ」
ほっぺたを膨らませて本当にプンプンという感じで怒ってるアオイが可愛らしくてアオキの口角が上がる。
「そうやって笑ってるアオキさんも、わたし好きですよ。一番好きなのはご飯食べてる時のアオキさんですけどね!!」
「じゃあ飯食いに行きますか?」
「はい!」
仲良く出ていく二人
ゼイユ「リーグ部の真ん中であんな大きい声ですごい話するわね」
スグ「やっぱアオイはすんげえな!」
カキ「ありゃオッサンの茶番だろい」
ゼイ「え?」
タロ「好き好き言わせて楽しんでますね!」
カキ「それでいて自分も好意があるようにみせて期待させて」
タロ「他に目がいかないようにしてるんですね!」
スグ「わやじゃ〜。さっすが四天王兼ジムリーダーは違う」
カキ「あのオッサンが特別アレなだけだろい」
おわり!